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トヨタEV電池に1178億円=国内基盤強化、「全固体」も支援―経産省

2023年06月16日 18時50分

AFP時事AFP時事

 経済産業省は16日、トヨタ自動車<7203>が国内で計画する電気自動車(EV)向け電池の開発・生産計画に対し、最大1178億円の補助金を支給すると発表した。次世代車載バッテリーとして期待される「全固体電池」も対象。EV電池を巡る国際競争で日本メーカーが中韓勢に押される中、大規模な財政支援を通じ国内の生産基盤を強化する。

 トヨタがパナソニックと共同出資する子会社プライムプラネットエナジー&ソリューションズ(東京)などのEV用リチウムイオン電池の生産拡大を支援する。トヨタが2027~28年の実用化を目指す全固体電池の研究開発については、費用の半額を補助する。全固体電池は充電時間が短く、航続距離を長くできるのが特徴で、世界で開発競争が加速している。

 トヨタは26年にEVの世界販売台数を年間150万台、30年に350万台に引き上げる計画。今年5月には、電池も含めた30年までのEV関連投資を5兆円(従来は4兆円)に増額すると発表した。現在、グループの自前のEV用電池生産拠点は国内のみで、需要拡大をにらんで設備の増強を進めている。

 政府は、経済安全保障推進法に基づき安定供給を図る「特定重要物資」の一つとして蓄電池を指定。22年度第2次補正予算で創設した3316億円の基金から補助金を支給する。トヨタのほか、既にホンダ<7267>とGSユアサが新設するEV向け電池工場にも最大1587億円の助成を決めている。

 経産省は現在年20ギガワット時の蓄電池の国内生産能力について、30年までに150ギガワット時に拡大する目標を掲げる。補助金支給により、トヨタは25ギガワット時、ホンダは20ギガワット時の生産能力を拡大する。(了)

 

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