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日経平均AI予想、年度末はこう着状態=チャットGPTは「予測困難」

2023年03月09日 11時26分

日経平均株価を示すモニター=3月6日午前、東京都中央区日経平均株価を示すモニター=3月6日午前、東京都中央区

 終わりが見えないロシアのウクライナ侵攻や世界的なインフレ、10年ぶりの日銀総裁交代と金融市場を取り巻く環境は複雑さを増している。2022年度末を間近に控え、日経平均株価の今後の値動きを人工知能(AI)で予測したところ、3月は平均2万7400円付近でこう着状態が続くとの予想だった。トレンドとして前年度末(2万7821円)を若干下回る格好だ。

 予想にはゼノデータ・ラボ(東京)が開発したAI「xenoBrain(ゼノブレイン)」を使用した。ディープラーニングや自然言語処理といった技術を使って企業の成長性、マーケットの動向を予測・分析。スタートアップ5000社を含む国内40万社の上場・非上場企業の長期業績予測や企業情報などを提供しているAIだ。ゼノブレインによる「日経225平均株価」の今年3月の予測値は平均で2万7412円(3月9日現在)。3月に入り日経平均は取引時間中、2万7000円台前半から2万8000円台後半で推移している。

 一方、米オープンAIが提供する対話型AI「チャットGPT」に3月末の日経平均の水準を質問した。世界的に話題を集めるこのAIの返答は「私は自然言語理解のモデルであり、現在の日経平均株価や将来の株価予測を含めた正確な金融情報を提供することはできません」と釈明。金融市場は「予測不可能であり、株価は多数の要因に影響を受けるため、将来の株価を正確に予測することは困難」と回答した。チャットGPTには苦手な分野のようだ。

 無味乾燥なAIとは別に、株式市場関係者にも3月末の日経平均の予想を聞いた。岡三証券の山本信一シニアストラテジストは「2万8500円。東証による株価純資産倍率(PBR)1倍割れ企業への改善要請は中長期的なテーマになるとみられ、目先は資本効率改善の期待から堅調な展開が想定される」と指摘した。

 岩井コスモ証券の林卓郎投資情報センター長は「2万9000円への接近も予想している。米国のインフレ警戒がある程度消化され、日本や中国の経済持ち直しが支えになる」とのストーリーを示している。(了)

 

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