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〔深読み米国株〕タカ派に動揺したS&P500…利上げ減速に半信半疑、株価は中立水準

2022年11月18日 15時25分

AFP=時事AFP=時事

 17日の米国市場では、地区連銀総裁の「タカ派」発言からS&P500指数は3906.54まで下落し、節目の4000定着はおあずけとなった。利上げ幅縮小とそれに続く利上げ休止への期待が直近の株価上昇の原動力と説明されてきたが、株式や債券市場の動きみる限り、投資家は利上げ減速に対して半信半疑のままとみられる。

 セントルイス連銀のブラード総裁は17日、現在の政策金利が「十分に景気抑制的とされる水準に達していない」と発言。政策金利が5~7%に上昇する可能性に言及した。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も利上げ継続の必要性を強調した。ブラード総裁らの発言に市場は株売りと債券売りで反応した。

 ただ、ブラード、カシュカリの両総裁は各地区連銀総裁の中でも最もタカ派色の強い人物として知られる。このため、市場関係者からは「ブラード氏らの発言内容よりも、市場がタカ派発言に敏感になっていることがサプライズだった」(外資系証券)との声が聞かれる。

 多くの投資家が利上げペース減速を確信していないことは株価水準からも読み取れる。S&P500は利上げ減速期待で8月に4325.28の直近高値を付け、その後は利上げ長期化懸念から10月13日に3491.58まで下落した。この値幅の中間点は3908.43と、17日安値3906.54にほぼ一致する。足元の株価は金融政策への楽観的な見方が広がった8月と連続大幅利上げを恐れた10月のちょうど中間にあり、投資家にとって買うにも売るにも中途半端な水準にあることを意味する。

 S&P500の予想PER(株価収益率)は17.72倍。10月初頭の今年はおおむね16~21倍で推移しており、足元の水準は中間点をやや下回る程度で、割高とも割安とも言い切れない悩ましい水準だ。

 米国株の日本語メディア「バロンズダイジェスト」は17日付で「年内は勢いのある勝ち組に賭けよう」とする記事を掲載。12月まで期間限定の投資戦略として、株価が上昇傾向にある銘柄の買いを紹介している。

 1927年以降のデータを基に直近1年間のリターンが上位10%以内の勝ち組銘柄と下位10%の負け組銘柄を比べると、12月は勝ち組銘柄のリターンが負け組銘柄を50%超上回っているという。同記事は今年の勝ち組として、S&Pコンポジット1500指数の構成銘柄で1年間のリターンが10%を超え、複数の投資情報誌が買い推奨するIBMやブリストルマイヤーズ・スクイブ、バレロエナジーなど19銘柄を抽出している。市場内の優勝劣敗を利用するこの種の投資アイディアが注目されるのは、相場全体の方向性が定まらないことの証左なのだろう。(編集委員・伊藤幸二)

 

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