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NYダウ3万ドル割れを意識…米債は短期金利3.5%長期化を警告

2022年09月21日 14時30分

AFP=時事AFP=時事

 日本時間9月22日未明に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が判明し、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が記者会見に臨む。0.75%利上げが確実視され、一部に1.00%の大幅利上げ観測もあるが、投資家の関心は今回の金融引き締め局面での短期金利の到達点に移っている。一方、米国債の利回り曲線は将来の短期金利が3.5%で高止まりする可能性を警告している。

 SMBC日興証券の野地慎チーフ為替・外債ストラテジストは9月21日付のリポートで「FOMCを経ても株安債券安のトレンドは変わらない」と指摘した。8月のジャクソンホール会議や9月13日の消費者物価指数発表など市場は重要イベントをこなしてきたが、この間に野地氏は「株価が大きく下がらない限り、長期金利も下がらない」との見方を一貫して示している。

 野地氏はFOMC後にイベント通過を材料に債券と株式がいったん買い戻される可能性はあるが、株式と債券が値下がりする足元のトレンド自体は変化しないと予想している。

 野地氏によれば、米国債の利回り曲線は「将来の一切の利下げを否定するかのよう」に映り、利回り曲線から得られる将来の金利(フォワードレート)は「今から5年経っても7年経っても短期金利が3.5%程度であることを示唆している」。FRBが長期金利が上昇してオーバーシュート状態にあることを認識するきっかけとして、現時点で想定できるのは株安以外にないという。

 また、ドル高は米国民の購買力を高めるため、当面は米国の内需で景気の減速感が示されない公算が高い。このため、ドル高による米国企業の業績下方修正などが米国株を大幅に押し下げることでしか、長めの米国金利は下げられないとしている。

 米国株の日本語情報メディア「バロンズ・ダイジェスト」は21日午前、「NYダウは3万ドルを割り込むか」とする記事を掲載。金利上昇の初期段階では高金利に弱いハイテク株中心のナスダック総合指数の下落率が大きくなるが、FRBが高金利を維持すれば、景気敏感株が含まれるダウ工業株30種平均の方がナスダック総合指数より下落率が大きくなるとの見方を披露している。

 実際に20日の米国市場では、10年物国債の利回りが節目の3.5%を突破したことで株価が下落。大型IT株を厳選したナスダック100が0.85%安の一方、ダウは1.01%安、NYSE総合指数は1.36%とIT株の比率が薄まるほど株価指数の下落率が大きくなる傾向が確認された。20日のダウの終値は30706.23なので、あと2.3%安で3万ドルの大台を下回る。

 バロンズ・ダイジェストは18日付「ついに悟った株式市場」の記事で、株価急落局面では、「ほとんどの場合で過剰な売られすぎの状態が先行して見られる」とする米運用会社ルーソルド・グループのダグ・ラムゼイ氏の考察を紹介。政策金利が最終レベルに到達した後でもFRBはすぐに利下げを始めるのではなく、金利が高止まりする可能性が高いとみて、「慎重な投資姿勢が重要」だとしている。

 

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