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アマゾン株が一気に20分割、6日売買開始…ダウ採用なら何が起こる?

2022年06月03日 12時45分

EPA=時事EPA=時事

 ネット通販大手アマゾン・ドット・コムは6日、1対20の大幅分割後の最初の取引を迎え、検索大手アルファベットも7月中旬に分割を実施する見込みだ。両銘柄とも分割で高単価の株価が下がって他銘柄との差が縮まるため、ダウ工業株30種平均に採用されやすくなる。アマゾンやアルファベットが組み入れられれば、ダウはこれまでと違ったパターンで動くようになりそうだ。

◇分割候補11銘柄

 米株投資情報の日本語媒体「バロンズ・ダイジェスト」は2日付で「今夏は株式分割ラッシュ?」とする記事を配信した。アマゾンとアルファベットの分割予定に加え、テスラやゲームストップが分割の意向を表明していることを紹介。さらに、独自の考察として、オンライン旅行大手ブッキング・ホールディングスを筆頭に11銘柄を分割候補として列挙している。

 株式分割の前後では、企業価値は変動しない。しかし、分割が投資家に好感されるのは米国も日本も同じだ。バロンズは分割で株価が下がって個人が買いやすくなる点に加え、ダウに採用されやすくなることを指摘している。

◇アマゾン採用ならダウ構成比に変化

 ダウは単純平均株価で算出する。このため、企業規模や日々の売買高によらず、株価の高い銘柄に左右される特徴がある。1株単価が6万円台で東証2位のファーストリテイリングが、日経平均の計算上は時価総額首位のトヨタの6倍の構成比を持つのと同じだ。

 ダウ構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループの株価(2日終値492.26ドル)が最も高く、ダウ構成比は30銘柄で最大の9.76%を占める。仮に株価が最も安いドラッグストア大手ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスを除外し、アマゾン(2日終値の分割後換算125.21ドル)を組み入れば、相対的にユナイテッドヘルスの構成比が下がり、IT株の比重が高まる。

◇分割ラッシュで何が起こる?

 アルファベットの他にブッキングなどが次々とダウに採用されていけば、ダウはIT株指数の色が濃くなる。現在、ダウは小売りやエネルギーなど従来型産業も含めた米国経済全体を映す温度計、ナスダック総合指数やナスダック100指数はIT株の値動きを示し、機関投資家や個人のETF(上場投資信託)運用はS&P500と、株価指数の役割分担がはっきりしている。しかし、IT企業を中心とした株式分割ラッシュが将来、ダウとナスダック指数の境界をあいまいにしていきそうだ。

 一般にIT企業の株価は大部分が将来の利益成長への期待で説明されるが、株価が期待で膨れあがった銘柄ほど金利上昇に弱い。足元のマーケットでもインフレ懸念による金利上昇が株価に大打撃を与えているが、IT株指数化したダウは金利の影響が一段と大きくなるだろう。

 

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