米FOMC議事要旨:緩和縮小「今後の会合で」=検討開始、多くが支持
2021年05月20日 05時10分
AFP時事
【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は19日、4月27、28両日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表した。多くの参加者が景気が急回復すれば、量的緩和の縮小に向けた議論を「今後開く会合のある時点で」始めることが適切との認識を示した。
パウエル議長はFOMC後の記者会見で、緩和縮小を検討する段階に「まだない」と明言した。ただ景気回復を見据え、FRBが緩和策の「出口戦略」を視野に入れていることを示した。
参加者は、新型コロナウイルス危機の打撃を受けた景気に関し、「FRBが目指す雇用最大化と物価安定の目標には程遠い」と判断。回復を金融緩和策で支える必要性で一致した。
インフレ率の上昇は、サプライチェーン(供給網)の障害といった「一時的な要因」が背景と分析。米国債などを購入し、資金を大量供給する量的緩和策の縮小までは「しばらくかかる」との見方を示した。
一方で複数の参加者は、供給網の障害が長期化し、来年以降も物価上昇圧力を押し上げる可能性に警戒感を表明。2人の参加者は「政策対応に踏み切る前にインフレ圧力が望まない水準に強まるリスク」に言及した。
雇用は改善が続いているとの認識を示しつつ、所得層や職種などによって一様ではないとして、回復に時間がかかると結論付けた。(了)