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青森銀とみちのく銀、24年合併=福井銀は福邦銀を子会社化―地銀再編加速

2021年05月14日 19時55分

経営統合で基本合意した青森銀行の成田晋頭取(左)と、みちのく銀行の藤沢貴之頭取=14日、青森市経営統合で基本合意した青森銀行の成田晋頭取(左)と、みちのく銀行の藤沢貴之頭取=14日、青森市

 地方銀行の生き残りを懸けた再編が加速してきた。青森銀行(本店青森市)<8342>とみちのく銀行(同)<8350>は14日、2024年4月の合併を目指すことで基本合意したと発表した。同日には、福井銀行<8362>も同じ福井市内に本店を置く福邦銀行の子会社化を決定。茨城県を地盤とする筑波銀行(本店土浦市)<8338>はインターネット金融大手SBIホールディングス(HD)<8473>との資本提携を決めた。

 再編の背景には、人口減少と長引く超低金利に新型コロナウイルス禍が追い打ちとなり、地銀の経営環境が厳しさを増していることがある。

 青森県内で長らくライバル関係にあった青森銀とみちのく銀は、22年4月に共同で持ち株会社を設立し、その2年後の合併を目指す。両行の県内での融資シェアは合計7割に達する見通しで、例外的に統合を容認する独禁法特例法の認可を求める。決まれば、金融機関で適用第1号となる見込み。持ち株会社の社長は青森銀、副社長はみちのく銀から出す。青森銀の成田晋頭取は14日の記者会見で、「青森にしっかりとした金融インフラを残すためにどうあるべきかが原点だ」と強調した。

 福井銀は、福邦銀による50億円の第三者割当増資を引き受け、議決権の51%強を取得。今年10月1日付で子会社化する。福邦銀は増資による財務強化を前提に、公的資金60億円を前倒しで返済する。両行は、本部機能の統合や現金自動預払機(ATM)の共同化などを通じて24年度までに累計70億円の統合効果を目指す。

 筑波銀は14日、既に業務面で提携しているSBIHDと近く、最大1億円ずつ相互出資し、提携を強化すると発表した。生田雅彦頭取は会見で資本提携について、「最大の要因はファンド設立だ」と強調。5億~10億円の事業再生やベンチャー育成のための二つのファンドを共同で設立し、地元企業への支援を通じて収益力を強化する狙いだ。(了)

 

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