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西村あさひ・太田弁護士:物言う株主、攻勢強める=コロナ禍で投資加速へ

2020年08月01日 14時57分

AFP時事AFP時事

 企業法務に詳しい西村あさひ法律事務所の太田洋弁護士はインタビューに応じ、企業に積極的に提案する「物言う株主」が、来年にかけ投資先への攻勢を一段と強めるとの認識を示した。主要国の金融緩和政策によるカネ余りを背景に投資を加速し、より高い運用益を求めて組織や事業の変革を迫ると分析。企業との攻防が激しくなりそうだ。

 「物言う株主」はアクティビストとも呼ばれ、企業に事業売却、取締役刷新などを働き掛け、株価上昇を目指す。7月31日の東芝<6502>の株主総会には旧村上ファンド系の投資会社などが取締役候補を株主提案した。議決権コンサルティングのアイ・アールジャパン(東京)によると、6月下旬までにアクティビストから提案を受けた企業数は、東芝を含め23社と昨年(16社)を上回り、過去最多を更新した。

 新型コロナウイルスの感染拡大は投資環境にも影響を及ぼす。主要国・地域の中央銀行は危機対応から大量の資金供給を実施した。あふれかえった資金は金融市場へ向かう。太田氏は「行き場を失った資金がアクティビストに流れ込んでいる。秋から来年にかけて相当動きが活発になる」との見方を示す。

 特にコロナ禍で株価が下落した企業は警戒が必要だ。こうした企業は物言う株主への対応の観点からも、株式を長期保有する機関投資家から資本や資金の使途について理解を得ることが重要という。太田氏は「今年はコロナの影響もあるので機関投資家も現経営体制を支持した。今後はコロナを言い訳に必要な改革を怠っていないか厳しい目が向けられる」と述べ、説明責任が問われると強調した。

 さらに、自社の成長戦略に理解を示す投資ファンドと組んで株式を買い集め、上場廃止にした上で立て直す経営陣による自社買収(MBO)も「非常に有力な選択肢となる」との見方を示した。(了)

 

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