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サウジ、米国向け原油タンカーの行き先変更も=禁輸措置発動で

2020年04月23日 12時23分

 【ロンドン、ニューヨーク、モスクワ・ロイター時事】サウジアラビアは、トランプ米大統領がサウジ産原油の禁輸を決めた場合、米国に向けて航行中の原油積載大型タンカーの行き先変更を検討している。海運データと関係筋の話から明らかになった。

サウジアラビのアラス・アル・ハイル港の原油タンカー、2019年12月/AFP時事
サウジアラビのアラス・アル・ハイル港の原油タンカー、2019年12月/AFP時事

 タンカーには合計約4000万バレル前後のサウジ原油が積載されており、数週間内に米諸港に到着予定。石油市場は供給過多による在庫膨張の緩和に取り組んでいるが、さらに圧迫される見込みだ。

 米高官らはこのほど、政府が出荷中のサウジ産原油の輸入をやめるか課税措置を検討していると発言。

 欧州とアジア市場の石油取引業者は、米国が輸入停止を決めればサウジは別の引き取り先を探すと指摘。欧州、アジア地域の貯蔵能力は圧迫されるとの見方を示した。

 新型コロナウイルスの影響で石油需要は激減しており、米政府は貯蔵能力の問題で、こうした動きを余儀なくされている。

 全米一の産油地であるテキサス州のテッド・クルーズ上院議員は21日、自身のツイッターで、「サウジへのメッセージだ。タンカーを引き返させろ」と語気を強めた。

 海運データによると、現時点で19隻の超大型原油タンカー(各200万バレル積載)が米メキシコ湾を中心とした主要ターミナルに向かっている。またサウジがチャーターした別の3隻がすでにメキシコ湾沖合で待機している。

 ある海運業者は「こうしたタンカーの停船料は非常に高額で、何が起きても持ち主、借り主が支払うのが決まりだ」と述べ「サウジは大きな賭けに出ている。生産を止めるほうが高くつくからだ」と付け加えた。

 先月末の停船料レートは一日あたり25万ドルと推計されている。(了)

 

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