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電機大手、ベア1000円以上=春闘、17日集中回答日

2021年03月15日 17時10分

時事時事

 電機大手の2021年春闘交渉は、従業員の基本給を底上げするベースアップ(ベア)を月額で昨年妥結実績と同じ1000円以上とすることで決着を目指すことになった。大手企業の労使交渉は17日の集中回答日に向け大詰めを迎えており、自動車などでは回答日までぎりぎりの協議が続きそうだ。

 電機のベア実施は8年連続。各メーカーの労働組合で組織する電機連合は、要求額と回答額を各社でそろえる「統一闘争」で経営側と交渉している。電機連合は15日、中央闘争委員会を開き、傘下主要13労組でストライキを回避するための統一回答基準を「1000円以上」に決めた。神保政史中央執行委員長はオンラインで記者会見し、「まだ13組合全部で(1000円以上を確保できる)感触は得られていない」と述べ、協議を粘り強く続けて獲得を目指す考えを示した。

 新型コロナウイルスの影響で電機各社の業績がばらつく中、労組側は先週までに月額500円以上の獲得を固めた後も上積みに向け交渉を続行。13社のうち6社で実質1000円以上を確保できる見通しとなった。6社は、日立製作所<6501>、パナソニック<6752>、三菱電機<6503>、富士通<6702>、東芝<6502>、NEC<6701>

 電機連合は、ベア獲得額が一定水準以上なら回答額に差が出ることを昨年に続き容認する。経営側は横並び脱却にかじを切っており、ベアが統一回答を上回る企業や、回答にベア以外で賃金に性格が近い年金拠出額などを含めるケースも出てきそうだ。(了)

 

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