休廃業、新型コロナで最多=20年は約5万件―商工リサーチ
2021年01月18日 16時52分
コロナ禍で休業したまま閉店を迎えた大阪・新世界の老舗ふぐ料理店「づぼらや」=2020年9月、大阪市浪速区
東京商工リサーチによると、2020年に休廃業・解散した企業が前年比14.6%増の4万9698件と過去最多を更新したことが18日、分かった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で先行きを見通せず、事業継続を断念する企業が増えた。
同年の企業倒産件数は7773件と30年ぶりの低水準にとどまっており、対照的な結果となった。商工リサーチは「政府の資金繰り支援で短期的な倒産は回避されているが、中長期的な事業改善につながらず、廃業を選ぶ企業が増えた」とみている。
産業別では、飲食や宿泊などのサービス業が1万5624件と約3割を占め、建設業(8211件)、小売業(6168件)が続いた。また、休廃業した企業の8割強で代表者の年齢が60代以上だった。高齢化や後継者不足で廃業は増加傾向にあるが、コロナ禍が選択を早めた格好だ。
政府は緊急事態宣言の対象地域を11都府県に拡大。商工リサーチは「廃業はさらに増える可能性がある」と懸念している。(了)