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米当局、フェイスブック提訴=独禁法違反、インスタ売却要求

2020年12月10日 09時11分

EPA時事
EPA時事

 【シリコンバレー時事】米連邦取引委員会(FTC)は9日、反トラスト法(独占禁止法)違反で、インターネット交流サイト(SNS)最大手フェイスブック(FB)を首都ワシントンの連邦地裁に提訴した。検索やデジタル広告をめぐり司法省が10月にグーグルを提訴したのに続く、米巨大IT企業を狙い撃ちにした独禁訴訟となる。

 当局は、FBによる写真共有アプリ「インスタグラム」や対話アプリ「ワッツアップ」の買収が、独占的地位を脅かす相手を排除する目的だったと判断。インスタやワッツアップの売却を含めた是正措置を求めた。

 FTCは委員による投票の結果、3対2で提訴を決定した。声明で「一連の行動は、消費者にSNSの選択肢をわずかしか残さず、競争から得られる利益を広告主から奪っている」とFBを非難した。FTCとは別に、ニューヨーク州など全米48州・地域の司法当局も同様の訴訟を起こした。

 一方、FB幹部は声明で、今回問題視された過去の買収について、FTC自身が当時容認していたと指摘。「インスタとワッツアップが素晴らしいサービスになったのは、新しい機能とより良い体験のために何十億ドルも投資したからだ」と反論した。

 GAFA(グーグル、アップル、FB、アマゾン・ドット・コム)と呼ばれる米IT大手4社をめぐっては、競争相手を不当に排除しているとして、当局などが問題視している。米議会で独禁問題を扱う小委員会は10月、巨大IT企業の規制強化を提言した。

 FTCは2019年6月、独禁法違反で調査を開始するとFBに通知。州・地域の司法当局も同年、FBの調査に着手した。アップルのアプリ配信やアマゾンのネット通販についても当局が監視を強めており、IT大手に対する訴訟の動きが続く可能性がある。

 ◇フェイスブック

 米カリフォルニア州に本社を置くインターネット交流サイト(SNS)運営の世界最大手。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)らがハーバード大在学中の2004年に学生同士の交流を目的に開設した。傘下に写真共有アプリ「インスタグラム」や対話アプリ「ワッツアップ」を抱え、グループ全体の月間利用者は32億人を超える。19年の売上高は約707億ドル(約7兆4000億円)。消費者にSNSを無料提供する一方、収益のほとんどをデジタル広告で稼ぐ。(了)

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