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米FBが暗号資産発行へ=新たな決済手段目指す

2019年06月19日 10時05分

 【シリコンバレー時事】交流サイト最大手の米フェイスブック(FB)が国際的な決済・送金手段の構築に乗り出した。暗号資産(仮想通貨)の基盤技術を用いた通貨「リブラ」を2020年前半に発行する計画を18日発表。27の企業や団体が既に参加を表明しており、インターネット上の金融インフラを大きく塗り替える可能性がある。

 リブラは、スマートフォンのアプリを使って個人間で送金したり、商品購入やサービス利用の際の支払いに充てたりする。スイス・ジュネーブに運営母体を設立。発行までに100社・団体の参加を目指す。実物資産の裏付けを持たせて価値を安定させ、盗難や不正利用は補償する仕組みを導入する。

 暗号資産の基盤技術は、改ざんが難しく、安全性が高いとされる。ただ、ビットコインなど代表的な資産は価格変動が激しく、日常生活では利用しづらい。23億人以上の利用者を抱えるフェイスブックの参入で普及に弾みがつきそうだ。

 フェイスブックは将来的に投資、融資といった分野への進出を視野に入れており、広告収入に依存するFBの収益モデルに転換をもたらす可能性がある。取引データは広告には利用しないと宣言しており、ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は「われわれが目指すプライバシー重視の社会基盤の重要な一部になる」と表明した。

 IT業界では米アマゾン・ドット・コムがオンライン市場に出店する事業者向けの融資を手掛けている。米アップルも今夏、金融大手ゴールドマン・サックスと組んで米国でクレジットカードを発行する方針で、IT大手が金融業界をじわじわと侵食している。(了)

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