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野口さん搭乗の新型宇宙船、最新技術と堅実性両立=ベンチャーの強み発揮

<2020年11月20日>

タッチパネルなど新技術が盛り込まれた新型宇宙船「クルードラゴン」の船内(スペースX社提供)タッチパネルなど新技術が盛り込まれた新型宇宙船「クルードラゴン」の船内(スペースX社提供)

2020/11/16 10:11

 野口聡一さん(55)が搭乗する宇宙船「クルードラゴン」は、米国の実業家イーロン・マスク氏(49)が率いるスペースX社が開発した。過去2回の飛行で搭乗したスペースシャトル、ロシア宇宙船ソユーズが1960~70年代の設計に基づくのに対し、タッチパネルが随所に配置されるなど21世紀の技術がふんだんに盛り込まれている。

 一方で、同社が開発した打ち上げ用ロケット「ファルコン9」は、アポロ計画で使われたロケットと同じ構成のエンジンを採用。実績のある技術で信頼性を高めるとともに、第1段に同型のエンジンを9基、第2段も同じエンジンを使い大量生産によるコストダウンも意識する。

 特徴的なのは、ベンチャー企業らしいスピード感だ。今やファルコン9の代名詞となった第1段ロケットの垂直着陸は、2015年1、4月と失敗が続いたが、同じ年の12月に「三度目の正直」で成功。米航空宇宙局(NASA)や宇宙航空研究開発機構(JAXA)では考えられないハイペースに、野口さんも「問題が生じると、次の日には試作品ができている。ミスもあるが、致命的にならないようすぐに直す」と舌を巻く。

 同社は火星探査を視野に入れた大型ロケットの打ち上げ試験にも成功した。30年代以降の国際協力による月・火星探査でも重要な役割を果たすとみられる。野口さんは「アポロ、シャトルと引き継がれた安全設計を否定するわけではないが、電気自動車やネット技術の発想や開発の仕方から、得られる知見は間違いなくある」と期待を寄せた。(了)

 

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