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市場は静観、菅政権の「縦割り110番」

<2020年9月18日>

こんにちは。JFSメールマガジン担当の春原桃子です。
先日、何年かぶりに同期の記者と話をする機会がありました。お互いの近況報告や仕事の悩み相談だけであっという間に時間が経ってしまいました。入社時以来、ほとんど顔を合わせていない他の同期にも連絡をとりたくなりました。それでは、今週の編集長コラムをどうぞ。

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市場は静観、菅政権の「縦割り110番」

皇居での首相親任式と閣僚認証式を終え、記念撮影に臨む菅義偉首相(手前中央)と閣僚ら=16日、皇居・宮殿北車寄せ[代表撮影] 
皇居での首相親任式と閣僚認証式を終え、記念撮影に臨む菅義偉首相(手前中央)と閣僚ら=16日、皇居・宮殿北車寄せ[代表撮影] 

 菅首相率いる新政権が船出しました。「役所の縦割り、既得権益、あしき前例主義を打破し、規制改革を進めていく」。菅さんが繰り返し強調した政権運営の基本方針です。そして、デジタル庁の創設。方針通りに政策が実行されれば、コロナ危機で浮き彫りになった日本の課題克服に向け、新たな成長戦略が動きだします。

 簡単なことではありません。既得権益を守りたい層は、そのまま自民党の支持基盤と重なります。かつての勢いを失ったとはいえ、自民党には「○○族」と呼ばれる議員グループが数多くあります。○○に入る言葉は、厚生、商工、農林、国防などなど。それぞれの分野ごとに、経験・知識が豊富な族議員が制度や法律、税制の制定・改正に影響力を持ち、関係業界との利害調整も行います。

 かつて政府・与党の税制改正作業の一端を取材した際のこと。金融機関の幹部から「自民党のある先生のところに税のお願いに行くと、すぐに秘書がパーティー券の購入依頼に来たのには驚いた」という話を聞きました。既得権益の擁護や利益実現のために、与党議員と多くの業界が密接につながっています。

 だから新政権でも無理だろう、と言うつもりはありません。菅さんは、秋田県の農家に生まれた「たたき上げ」で、無派閥。世論を味方に有言実行あるのみです。「縦割り110番」、いいと思います。今のところ、マーケットは混乱なくアベノミクスが継承されたことを評価しつつも、今後の改革の進み具合を見極めたいとのムード。新政権が発足したあとも静かな動きでした。 

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今週も編集長コラムをご覧いただきありがとうございました。皆さん素敵な週末をお過ごしください。 春原(すのはら)

 

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