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米中摩擦が再び激化、囁かれる破局シナリオ

<2019年8月30日>

米中摩擦が再び激化、囁かれる破局シナリオ

 またまた米中の貿易摩擦が激しく燃え上がりました。トランプ大統領による対中制裁関税「第4弾」の決定、これに対する中国の報復、さらに米国の再報復という泥沼状態。先週末から今週初めにかけて、世界の株価は大幅に下落し、金利も低下、円高や人民元安が進行しました。この先もマーケットは荒れ模様が続くとみられます。FRBのパウエル議長によるジャクソンホール会合での利下げ示唆発言も完全に吹き飛ばされた形です。

 これまでにも米国との間での国際的な貿易問題が激化したことはありましたが、トランプ大統領の振る舞いは、過去に例がないほど強烈です。時事通信のジャクソンホール発の記事

採録記事

パウエルFRB議長、「トランプ対応」に苦慮=利下げかじ取り困難

 【ジャクソンホール(米ワイオミング州)時事】米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は23日の講演で、今後の追加利 …

によると、パウエル議長はここまで米中貿易問題が激化すると、利下げなどの金融政策で対応するには限界があるとの認識を示したということです。議長の「貿易摩擦に対処する政策の前例はない」との言葉に苦しい思いがにじみ出ています。

 また、先日紹介した米有力投資情報誌の日本語版「バロンズ拾い読み」は8月26日発行の最新号で「現実味増す破局シナリオ」という恐ろしいタイトルの記事を掲載し、貿易摩擦が高まれば、米国は中国国民へのビザ発給制限、特定の中国株式の上場廃止などの強硬策を取る可能性があると指摘。両国間での通貨切り下げ戦争や中国が自国市場への米企業のアクセス制限に踏み切る可能性があることにも言及しています。

 こうした悪夢のようなシナリオが現実になるのかどうか。トランプ氏の最優先課題は来年の大統領選挙で再選を果たすことです。株価が下落したまま選挙を迎えるはずはありません。実際、フランスでのG7終了後の会見でトランプ大統領は中国との協議再開を発表し、週央以降マーケットは小康状態を取り戻しました。ただ、こうした株価や為替相場、金融政策を翻弄しながら強硬・軟化を繰り返す手法がどこまで通用するのでしょうか。市場はそれほど甘くないような気がします。