レナウン破綻、巨艦の舵を切るのは難しい

<2020年5月22日>

こんにちは。JFSメールマガジン担当の春原桃子です。
通勤中の地下鉄で、乗客の皆さんのマスクをつい観察してしまいます。以前と比べてマスクのバリエーションが増えてきて、お洒落なデザインや変わった素材のものに目を奪われます。私も先日、サーファーのウェットスーツの素材で作ったマスクを知人からプレゼントされました。通気性も付け心地もなかなかでした。それでは、今週の編集長コラムをどうぞ。

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レナウン破綻、巨艦の舵を切るのは難しい

15日、東京都江東区
15日、東京都江東区

 ご存知ですか?「ワンサカ娘」。子どもの頃、友達と踊りながら大声で歌っていました。アパレル大手、レナウンのテレビCMです。ユーチューブで検索すると、1960年代から80年代に流れた映像がありました。今見返すと昭和の香りが漂いますが、このCMに出会った時の印象は鮮烈でした。「ワンサカ、ワンサ~」とアップテンポのリズムに乗って一時は世界最大手に上りつめた老舗企業の破綻。寂しさを覚えるものの、驚きはありません。

 レナウン経営破綻、頼みの中国資本に誤算=老舗アパレル、時代に対応できず

 1902年創業のレナウン。ホームページで会社の沿革を見ると、記事でも触れている社名の由来となった英国の巡洋艦「RENOWN号」の写真が載っていました。この名前には「名声・栄光」の意味があるそうです。ワンサカ娘のCMはさまざまなバージョンが制作されています。ファッショナブルな洋服に身を包んで颯爽と歩く女性ばかりでなく、宇宙人が現れるものもあり、斬新な演出です。企業ロゴの「NOW」の部分が強調され、最先端を走る企業の勢いが伝わってきます。

 紹介した記事では、破綻の原因は「時代の変化に対応できなかった」ことだと指摘していますが、かつてのレナウンは「新しい時代を作り出していた」と言える存在でした。しかし1990年代後半以降、「ユニクロ」など低価格・高品質のファストファッションに押され、インターネット販売戦略での出遅れも響きました。「RENOWN号」は巨艦です。以前、大手証券首脳が「うちの会社は大きな船だ。舵を切ってもそう簡単に進路は変えられない」と語っていた言葉が重なります。

 世界を見渡せば、新型コロナウイルスのワクチン開発が前進したとのニュースもあって、経済活動再開への期待が高まっています。株価や原油価格は回復を続け、日本では関西の非常事態宣言も解除です。一方で、レナウンをはじめ、既にコロナの影響による企業の破綻は150社を超えました。明暗のコントラストの強さに目がくらみますが、新型ウイルスが生き残る企業をふるいにかけているようにも感じます。
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今週も編集長コラムをご覧いただきありがとうございました。来週もどうぞよろしくお願いいたします。 春原(すのはら)