「タッチレス」に商機、AIやセンサー活用

<2020年5月12日>

2020/05/07 14:44

「タッチレス」に商機=AIやセンサー活用―コロナ予防

マスクを外さずに通過できるNEC本社の顔認証ゲート[同社提供]
マスクを外さずに通過できるNEC本社の顔認証ゲート[同社提供]

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、予防につながる「タッチレス(非接触)」機能を搭載した製品に注目が集まっている。各メーカーとも人工知能(AI)やセンサーなどを活用。手で触れずにさまざまな操作ができる技術の開発を競っている。

 日立製作所は5月からビルやマンション内の設備に手を触れずに操作できる一体型サービスを展開。カメラによる顔認証技術やID情報を埋め込んだタグなどを活用し、玄関からセキュリティーゲート、エレベーターまで通過できる「建物丸ごとタッチレス」を目指すとしている。  

 昇降機大手のフジテックも4月、赤外線センサーを使い、ボタン付近に手をかざすだけで行き先階を指定できるエレベーターの販売を開始。衛生管理の厳しい医療機関や食品工場での使用を想定していたが、「商業施設やマンション用の問い合わせが増えている」(広報室)という。  

 顔認証で世界トップレベルの技術を誇るNECは、東京都港区の本社通用口にマスクを着けたままでも本人確認できるゲートを設置した。目など顔の一部分だけで認識できるまでAIの能力は向上しており、9月末までに商用化する。さまざまなものに触った手がマスクを外す際に口元に触れるリスクを低減するのが狙いだ。

 一方、人混みの中から発熱者を割り出す感染予防のニーズが高まる中、アイリスオーヤマはAIを使い遠隔で最大20人の体温を同時に測ることができるセンサーカメラを発売。イベント会場や医療機関、学校などでの需要を見込む。

 「タッチレス」に必要なセンサー技術は日本企業が高い競争力を持ち、電子情報技術産業協会によると世界のセンサー市場でのシェアは約5割。得意な技術を生かし、新たなビジネスを創出することが期待されている。(了)