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民間銀行悩ます資金繰り支援=「異常事態」と「融資規律」のはざま
<2020年4月21日>
2020/04/16 14:23
安倍晋三首相と官民金融機関の会談で発言する全国銀行協会の三毛兼承会長(左から3人目)=8日、首相官邸
〔銀行レーダー〕民間銀行悩ます資金繰り支援=「異常事態」と「融資規律」のはざま
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府が打ち出した中小企業の資金繰り支援策が波紋を広げている。政府系金融機関などを通じた総額1.6兆円の低利融資にとどまらず、民間からも実質無利子で貸し付けさせる枠組みの創設も掲げたからだ。政府の大盤振る舞いは民間の融資規律をゆがませるリスクをはらんでおり、金融界は警戒を強めている。
◇窮する中小企業
各国の渡航制限、政府の外出自粛要請で国内消費は低迷し、資金繰りに窮する中小企業などの苦境が表面化している。政府は2~3月、新型コロナの緊急対策として、信用保証協会が債務の8割、または全額を保証する融資に加え、日本政策金融公庫や商工中金を通じ売り上げが前年同期比15~20%以上減った中小・零細企業に対し、最長3年間、実質無利子・無担保で借り入れできる制度を矢継ぎ早に打ち出した。
「やりすぎではないか」。ある第二地方銀行関係者は政府の対応にこう漏らした。
実体経済が停滞し「飲食店などの売り上げが『蒸発』している」(全国地方銀行協会の笹島律夫会長)とも言われる現状とはいえ、政府支援の条件
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