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日本も解禁検討のSPAC 米国ではさらに拡大中

<2021年4月9日>

こんにちは。JFSメールマガジン担当の春原桃子です。
先日、帰宅時に寝ぼけて1駅前で降りてしまったことがきっかけで、時間に余裕がある日は1駅分歩くことにしました。運動不足を少しは解消できる気がします。それでは、今週の編集長コラムをどうぞ。

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日本も解禁検討のSPAC 米国ではさらに拡大中

成長戦略会議で発言する加藤勝信官房長官(右)=3月17日午後、首相官邸
成長戦略会議で発言する加藤勝信官房長官(右)=3月17日午後、首相官邸

 米国で急増している特別買収目的会社(SPAC)の上場ペースが今年に入って一段と勢いを増しています。自らは事業を行わず、未上場の新興企業買収を目的に設立されるため、「空箱」「ブランクチェック(白紙小切手)・カンパニー」とも呼ばれるSPAC。新興企業からすると、簡単に素早く上場できるのが特徴です。香港やシンガポールでも導入の動きがあり、日本では成長戦略会議で解禁に向けた検討作業が始まりました。

 昨年1年間に米国で上場したSPACは240件を超え、電気自動車や自動運転などを手掛ける新興企業との合併が相次ぎました。米調査会社によると、今年1~3月のSPAC上場は296件。過去最高だった2020年の年間実績を既に上回っています。

採録記事

米で「空箱」会社の上場急増=SPAC、日本も解禁検討―過熱や弊害の指摘も

新興企業などの買収を目的とし、自らは具体的な事業を持たない「空箱」会社の上場が米国で急増している。米調査会社によると、上場件数は1~3月に2 …

 上場数の大幅な増加を伝える記事では、情報公開が不十分との批判があることも紹介。さすがに最近は人気に陰りも出ているようです。

 SPAC解禁を議論した成長戦略会議の資料を見ると、日米の差に衝撃を受けました。例えば、2020年のベンチャーキャピタル投資額。米国は日本円換算で16兆7000億円、これに対し日本は1500億円です。桁が二つも違います。

 「だから、日本でもSPAC導入で一気に解決」ということはあり得ないでしょう。日本で起業が盛んにならないのは、資金の問題だけではなく、社会風土や規制・税制などいろいろな背景があります。仮にSPACを解禁しても、投資家がリスクを嫌って受け入れないという状況も考えられます。

 それでも、スタートアップ企業に資金が回る仕組みを整備することは、日本経済活性化にとって重要なことです。しっかりした制度を作った上でSPACを認める意義はあると思います。米国では、燃料電池トラックの開発・販売を計画するニコラ社をめぐる混乱もありました。空売りを手掛ける投資家がニコラの技術力を疑問視する報告書を出し、急騰していた同社の株価は暴落状態に。株価は今も低迷したままです。

 こうしたケースも教訓に投資家保護や情報開示の仕組みなどをどう整備するか。戦略会議の議論が注目されます。
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今週も編集長コラムをご覧いただきありがとうございました。来週もどうぞよろしくお願いいたします。 春原(すのは

 

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