日本株テーマ型ファンドで初のレポート=24年末は約9兆円の市場規模-モーニングスター・ジャパン
2025年03月26日 08時00分

モーニングスター・ジャパンは、日本株のテーマ型ファンドについて、初のレポートをまとめた。市場の概要、主なトレンド、投資家動向、運用実績などを紹介している。
テーマ型ファンドとは「一つ以上の投資テーマへのエクスポージャーに基づいて保有銘柄を選定するファンド」のことだ。株式型の投資信託と上場投資信託(ETF)があり、アクティブ運用とパッシブ運用の両方が含まれる。ESGスコアに基づいて広範な株式に投資するものや、標準的なセクター型ファンドは除外している。
日本のテーマ型市場は、2019年末に約5兆円であった純資産総額が、21年末には約 10.3兆円に達した。24年末には約9兆円に減少している。21年にはファンドの新規設定が74本に拡大したが、その後は減少している。
日本のテーマ型ファンドは、テクノロジー系が人気だ。上位ファンドでは、「デジタル経済」「ロボティクス・自動化」「次世代通信・次世代インフラ」がテーマになっている。
日本のテーマ型ファンドの市場では、残高の半分以上を上位10ファンドが占めており、一部のファンドに資金が集中している。24年12月31日時点で、日本のテーマ型ファンドの純資産総額の中央値は約44億円であり、対象となる288ファンドのうち、1000億円以上の純資産総額を有するファンドは、18本だった。
モーニングスター・ジャパン マネジャーリサーチ部長の元利大輔氏は、「残高上位のファンド群を除くと、多くのファンドは残高が小さいことが顕著だ。残高が小さいファンド(特に10億円未満)は、特定の戦略やテーマに対する投資家の関心が極めて薄い、あるいは将来的に高まらない可能性があり、これらの小規模ファンドは、投資家の関心不足による繰上償還のリスクを抱えている」と指摘した
また、「テーマ型ファンドは運用費用が高く、世界の株式市場で安定して好成績を残すことが難しい。過去10年間で償還されたファンドも多く、長期的に優れた運用成績を残すファンドを見つけることは容易ではない」(元利氏)と述べた。
【モーニングスター・ジャパン、レポート】
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