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「登用前」「登用時」「登用後」の課題を分析=女性活躍に向け、中間管理職にアンケート-AMWFがイベント開催

2025年03月24日 10時30分

(出所)AMWF(出所)AMWF

 資産運用業界における女性活躍推進に向けて業界横断で取組むネットワーク「Asset Management Women’s Forum(AMWF)」は、「女性が活躍できる資産運用業界のためのディスカッション」をテーマに、マネジメント層向けのイベントを2月28日に開催した。

 この中で、「資産運用業界の中間管理職100人に聞いたアンケート結果」を共有した。昨年10月にAMWF参画企業20社の118人に実施したもので、管理職「登用前」「登用時」「登用後」に分けて、それぞれの課題を分析した。

 「登用前」では、約半数の女性が「職場で性別による差を感じたことがある」と回答し、その事柄としては「経験(機会)」がトップだった。報告書では「女性の場合、管理職になるための経験(機会)が男性に比較して『ない』と感じていると見られる。業界全体の課題として、中長期的に(女性の登用を)計画していく必要があろう」と分析している。

 「登用時」では、女性の7割が「当初管理職を希望していなかった」と回答した。ただ、そのうち67%が「管理職としての現状に満足している」と答えた。報告書では「女性の場合、(管理職への登用に向けて)会社からの働きかけが非常に重要であり、『成長の機会』や『裁量権』が広がることを伝えることがポイントになるだろう」と指摘している。

 「登用後」では、「管理として満足している」とする回答が、男女とも7割程度を占めた。「意思決定の権限があることが一番の満足につながる一方、それゆえの難しさを多くの人が感じている」。また、部下の人数によって課題が異なっており、それぞれに合った解決策が必要なようだ。

 報告書では、総論として「女性管理職が求めるサポート・施策の根底には、トップによるコミットメントや、ダイバーシティの重要性を腹落ちして捉えられる企業文化の醸成が必要と考えられる」と提言している。

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 AMWFは、「資産運用業における財産は人材であり、競争力とイノベーションの源泉だ」とする考えに基づき、「『多様性を尊重し生かす視点での新しい価値観の創出』、中でも『女性社員の活躍』は、資産運用業界全体の持続的成長に欠かせないものである」という理念のもとに2022年5月に発足した。参加企業は20社に拡大している。

 

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