「老後が不安」が約8割=不安なことは「生活費」がトップ、次いで医療費・健康・介護費-家計診断・相談サービス「オカネコ」調べ
2025年06月27日 07時00分


国内最大級の家計診断・相談サービス「オカネコ」を運営する400F(本社東京、中村仁社長)の「オカネコ 老後資金に関する調査」によると、老後について「非常に不安」が35.2%、「どちらかというと不安」が43.5%だった。回答者の約8割が何らかの不安を感じていることが分かった。
不安に感じている項目は、「生活費」が83.0%でトップ。次いで「医療費」(58.8%)、「健康面」(53.8%)、「健康面」(53.8%)、「介護費」(49.7%)が上位を占めた。調査は、6月中旬に全国の「オカネコ」ユーザー434人に実施した。
「オカネコ」では「実質賃金が伸び悩み、食料品やエネルギー価格の高騰が続く現状を反映していると考えられる。高齢化の進展に伴い医療費が増加傾向にある中で、将来の医療費負担に対する懸念も高まっていると推測される」と分析している。
◆老後の資金準備は二極化
調査の中で、「老後資金の準備状況」を尋ねたところ、定年が近づくにつれて準備が加速する傾向が見られ、60代以上では20.2%が「十分と思える準備ができている」と回答した。ただ一方で、「まだしていない」も22.3%を占めており、老後資金の二極化が懸念される。
60歳以上について老後資金の金額を見ると、「5000万円以上」が25.4%だったのに対して、「500万円未満」も32.0%を占めた。


◆準備方法は、「預貯金」が7割強、「投信・株式」が6割
老後資金の準備方法については、「預貯金」が75.1%でトップ。次いで「投資信託・株式(NISA、特定口座など)」(59.9%)、「公的年金」(55.1%)、「確定拠出年金」(36.2%)、「個人年金保険」(26.3%)などだった。
◆分かりやすい情報提供や金融教育が不可欠
「オカネコ」では、調査結果について「老後の生活に対する漠然とした不安が広がり、特に経済的な側面への懸念が顕著であることが浮き彫りになった」と分析した。
その上で「一人ひとりが主体的に老後資金の準備を進めるには、より分かりやすい情報提供や金融教育の充実が不可欠であり、特に若年層に対しては、早期からの資産形成の重要性を啓発するとともに、少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo)などの活用を促す具体的な情報発信が求められる」と提言している。
さらに「年金制度そのものの透明性を高め、国民の信頼回復に努めることも喫緊の課題と言える」と指摘した。

◆400Fと「オカネコ」
400Fは、「お金の問題を出会いで解決する」を理念に、2017年11月に設立された。家計改善、資産運用、保険などお金に関するさまざまなアドバイスを、ワンストップで無料相談できる国内最大級のプラットフォーム「オカネコ」を運営している。
「オカネコ」は、スマートフォンから居住地や年齢、年収、家族構成などの約20の質問に答えるだけで、同エリア・同年代・同世帯構成の人と比較した家計状況を診断してもらえる。さらに、診断結果から推定した簡易ライフプランや、FPなどのお金のプロからの個別アドバイスコメントが届き、チャットや面談で個別相談もできる。