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三菱UFJアセット、「読売333」を紹介=24日から公表開始-eMAXIS Slimブロガーミーティング

2025年03月24日 08時30分

読売333

 三菱UFJアセットマネジメントは3月19日、個人投資家がオンラインとリアルで参加できる「ブロガーミーティング」を開催し、日本株の新しい指数「読売株価指数(読売333)」を紹介した。また、個人投資家から要望が寄せられている「全世界債券指数」を参照するインデックスファンドについて、リサーチの状況を説明した。

 同社は26日、「読売333」に連動した投資成果を目指す日本初の公募株式投信「eMAXIS Slim 国内株式(読売333)」を設定する。さらに27日には、東証に「MAXIS 読売333 日本株上場投信」(銘柄コード:348A)を上場する。

 「読売333」は、国内の証券取引所に上場する全銘柄から選定された333銘柄で構成される。24日に公表がスタートする。

 日本株の主な指数を見ると、「日経平均株価」は、東証プライム市場の上場銘柄を対象に「株価平均型」で算出しており、値がさ株(株価水準の高い株)の影響が大きい。一方、「東証株価指数(TOPIX)」は、東証上場銘柄を対象に「浮動株調整時価総額加重平均型」で算出しており、大型株の影響が大きい。

 こうした中、「読売333」は、全銘柄を均等保有する「等ウェート型」で算出されるため、日本の株式市場を代表しつつ、巨大企業や特定企業の値動きに大きく左右されにくい株価指数になっているという。

 この日は、指数を公表する読売新聞社と、算出元の野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティングの担当者が、ブロガーミーティングに参加した。新指数設定の狙いについては「地方企業を含め、日本企業に投資を促したいと考えた」と話した。また、設計の工夫について「分散効果や指数の安定性、株式の流動性などを勘案し、バランスの良い銘柄数にした」と述べた。

◆全世界債券指数のインデックス

 次に、個人投資家から「eMAXIS Slim」シリーズに、全世界債券指数に連動するインデックスファンドの追加を求める声が、多く寄せられていることが紹介された。

 三菱UFJアセットマネジメントでは、「現地通貨建て」で「国債」を投資対象とする、ブルムバーグの「Bloomberg Global Treasury Index」と、JPモルガンの「J.P.Morgan GBI-Aggregate Index」などについて、リサーチを進めているという。

 代田秀雄常務は、「年齢が上がっていけば、資産運用のポートフォリオが『株式ファンド100%』という訳にはいかないだろう。お酒に例えると、株式ファンドが『ウィスキー』で、債券ファンドが『水』にあたる。一般的に『水割り』は、年齢が高くなれば水の量が増えて、薄い水割りになっていく。債券ファンドについては、そうした使い方が考えられると思うので、前向きに検討していきたい」と述べた。

◆「広めること」「深めること」「続けていただくこと」

 1月に発表された「個人投資家が選ぶ! Fund of the Year 2024」では、「eMAXIS Slim」シリーズから多数のファンドが表彰された。代田常務は「みなさんのご支援のおかげであり、たいへん感謝している。これを励みに、しっかりとファンドの運用を続けていきたい」とお礼の言葉を述べた。

 その上で、アセットマネジメント業界の課題について「投資信託を使っていただける方を『広めること』『深めること』『続けていただくこと』だと考えている」と指摘した。

 『広めること』については、「NISAを利用している人の数は、約2500万人ということで成人の4人に1人になっている。これを成人の2分の1の約5000万人にすることで、投資や投資信託を国民の皆さんにさらに必要なものにしていきたい」と述べた。

 また『深めること』については、「インデックスファンドで市場全体に投資をした上で、もう少し特徴のあるファンドとしてアクティブファンドを加えたいと考える人もいらっしゃると思う。最初の一歩はインデックスファンドで、そこから『深めていく』ことについて、お手伝いができればと考えている」と話した。

 さらに『続けていただくこと』については、「これが一番重要なことだ。現在の相場環境を見ると、為替が円高方向に動いているので、海外資産の価値が目減りして、それが基準価額にも影響している。投資信託を使った資産形成なので、市場環境によって基準価額が上がることも下がることもある。20年、30年と長期投資することを決めたファンドについては、途中で損切りも益出しもせず、最後まで保有し続けることが、良い結果を生み出すと考えている」と指摘した。

 その上で「皆さんが不安に思ったときに、当社はメッセージを発信して、皆さんと一緒に投資を続けていきたい。また、コミュニティサイト『オルカンカフェ』を立ち上げたので、ぜひ利用していただき、投資家の皆さんが相互に声をかけあって、長期投資を続けていただきたいと思う」と述べた。

 

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