AIの影響、5年でみると「ヘルスケア」「金融」にプラス=今年の収益性には「中立」-フィデリティ「アナリスト・サーベイ」
2025年03月14日 07時00分

外資系運用会社大手のフィデリティ投信は、フィデリティ・インターナショナルがまとめた「アナリスト・サーベイ2025」を公表した。この調査は、フィデリティ・インターナショナルが全世界に展開するアナリストが、年2万回を超える企業とのミーティング結果から、各地域や企業、ビジネストレンドがどう変化するか予測した。昨年11~12月に112人が回答した。
調査の中で、人工知能(AI)について「今後12カ月間で、担当している企業の収益性にどのような影響が与えるか」と尋ねたところ、「中立(純粋な影響なし)」が約7割を占めた。同社のアナリストは「AIが企業のバックオフィス業務や顧客サービス業務の効率化に寄与するものの、生産性に大きなインパクトをもたらすには時期尚早」と見ていることが分かった。
一方、今後5年間で見た場合は、「医療画像処理や医薬品の開発、ローンの組成や信用情報のスコアリングなど、主にヘルスケアと金融セクターで、AIが企業の収益性にプラスの影響を与えるだろう」と予想している。
このほか、①米国ではトランプ新政権の下で「ヘルスケア」「通信サービス」「IT」「不動産」「エネルギー」などでM&Aが急増する ②中国では、財政・金融政策が個人消費を創出し、企業にもプラスの影響を与える ③日本では、デジタルの「2025年の崖(がけ)」の克服がカギだが、その後は欧米への追随が一気に進みITサービス企業の成長が加速する-などと分析している。