投資家が自分で「低コスト・ポートフォリオ」をつくる=決算説明会でファンド展開を説明-SBIグローバルAMの朝倉社長
2025年02月03日 13時00分
SBIグローバルアセットマネジメントの朝倉智也社長は、2025年3月期第3四半期決算説明会で、同社のファンド展開の考え方を説明した。「成長投資型」と「成長&分配型投資」の低コスト商品のラインアップを紹介し、「投資家一人一人が、日本株や米国株、欧州株などの対象資産をチョイスして、自分でポートフォリオを作り、低コストで運用できる環境を提供していく」と述べた。
◆低コストで「顧客中心主義」を徹底
個別ファンドの注目点では、昨年12月20日に新規設定した「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)」が、当初募集額で596億円を集めた。ネット販社専用ファンドとしては過去最大。2024年の「当初募集額ランキング」で第2位になった。
朝倉社長は「対面のセールなしで、お客さまに自然体で選ばれて達成した。販売手数料がゼロ、信託報酬が年率0.1238%と低コストを実現しており、お客さまに利益を享受していただく『顧客中心主義』を徹底している」と述べた。
◆サウジアラビア株式のインデックス・ファンドを設定
東証に昨年10月31日に上場した「SBIサウジアラビア株式上場投信(東証取引コード:273A)」は、純資産残高は30.9億円(25年1月23日現在)に拡大した。上場投信は、投資家がタイミングを選んで投資できる点が魅力だが、定時定額での積立投資は難しい。
このため、1月28日には、日本初のサウジアラビア株式の公募投信「SBIサウジアラビア株式インデックス・ファンド」を設定した。新NISAの成長投資枠の対象商品で、定時定額での投資が可能であり、SBI証券であれば100円から投資できる。
◆オルタナティブとデジタル資産
今後の事業展開については「高付加価値α(アルファ)の創出に向けて、オルタナティブとデジタル資産(暗号資産・トークン化市場)が注目される」と指摘した。
オルタナティブでは、昨年8月16日に新規設定した「SBI-Man リキッド・トレンド・ファンド」が好調だ。オルタナティブ運用会社大手の英国マン・グループが実質的に運用するファンドで、当初設定金額が47.2億円と、同種同等のファンドにおいて過去10年間で最大規模になった。
「通常であれば、こうしたファンドの信託報酬は2%程度で成功報酬が必要になるが、このファンドは『信託報酬0.998%(税込み)、成功報酬なし』としており、『顧客中心主義』を徹底した」(朝倉社長)と述べた。
SBIグループは、マン・グループのほか、総合的オルタナティブ運用会社の米国KKRや、暗号資産運用にも積極的な米国フランクリン・テンプルトン・グループと合弁会社を設立している。