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三菱UFJアセット、eMAXIS Slimのブロガーミーティングを開催=来年1月の信託報酬引き下げの考え方など説明

2024年12月23日 08時00分

(出所)三菱UFJアセットマネジメント(出所)三菱UFJアセットマネジメント(クリックで表示)

 三菱UFJアセットマネジメントは、個人投資家が自由に参加できる「ブロガーミーティング」を開催し、来年1月25日に実施する「eMAXIS Slim(イーマクシス・スリム)」シリーズの一部ファンドの信託報酬引き下げについて、その背景などを説明した。また、長期投資の考え方などについて意見交換した。ミーティングには、オンラインと会場で160人程度が応募した。

 同社は、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬率(税込み)を年率0.07568%~0.08140%(現在は同0.09240%~0.09372%)に、「eMAXIS Slim 全米株式」の信託報酬率(税込み)を年率0.0770%~0.0814%(現在は同0.09350%~0.09372%)に、それぞれ引き下げる。

 eMAXIS Slimシリーズは、「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」というコンセプトを掲げ、信託報酬率を含む運用コストの状況を把握したうえで、ファンドの継続性に配慮しつつ信託報酬率を引き下げている。

 代田秀雄常務は、運用コストついて「信託報酬だけでは単純に比較できない場合もある。例えば、海外で株式を保管する費用や海外の税金、監査費用などは、信託報酬の外で計上するが、インデックスライセンスフィーや印刷費用など信託報酬に含めるか否かについて運用会社によって計上する科目や考え方が違う」と指摘。「決算の後に公表される『運用報告書』を分析し、信託報酬とは別にファンドに請求しているコストを加えた『総経費率』を計算して、同じカテゴリーのファンドと運用コストを比較している」と述べた。その上で、今回の信託報酬引き下げについて、詳細なデータを使って説明した。

◆月次レポートに「基準価額の変動要因(概算)」を掲載

 「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、今月の月次レポートから「基準価額の変動要因(概算)」の掲載を始めた。株価や為替相場の変動が基準価格に与えた影響を知ることができる。投資家の要望に応えたもので、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」では、既に月次レポートに記載している。

◆「何もしなかった」が7割強=8月の相場急落でアンケート

 この日は、8月の株価急落時の行動について、「eMAXIS LINE」の登録者を対象に、10月下旬に実施したアンケート結果を公表した。約2000人が回答した。

 それによると、「特に何もしなかった」とする回答が7割強と最も多かった。また、「積み立てを増額した」「積み立てとは別に一括投資した」とする人も、それぞれ1割程度いた。ただ、一方で、「積立額を減額した」「ファンドを売却した」とする人も、それぞれ数パーセントいた。

◆無理のない範囲で、市場にお金を置いてみる

 代田常務は、投資の学び方について「投資は、『座学で学んだり本を読んだりして頭で理解すること』と、『実際に自分でお金を投資して含み益が出たり元本割れしたりを経験すること』では、全く違うと思う」と指摘。

 「積み立てを含めて少額でいいので、市場に自分のお金を置いてみて、上がったり下がったりすることを、経験値として自分の中に積み上げていくことで、その方の『長期投資力』あるいは『耐力』が上がっていくと思う。無理のない範囲で投資を続けて、上昇相場も下落相場も乗り越えていくことで、長期投資家に近づいていけるだろう」と述べた。

◆投資の成功体験を広げ、豊かな社会を実現する

 また、来年に向けた抱負については「運用会社の役割は、『広げること』『深めること』『続けるもらうこと』だ。資産運用業は、さらに社会から必要とされる産業にならなくてはいけない。NISAは現在、成人の4人に1人に相当する2500万人に利用しているが、これを成人の半分の5000万人に引き上げていきたい」と語った。

 「株式は、経済成長がある限り、リターンが生まれると考えている。経済が成長すれば、企業が利益を出し、配当や株価上昇などで投資家に還元されるためだ」。「日本はGDPの半分が消費なので、消費がもっと盛り上がれば、企業はもっと利益を上げ、日本全体が良くなる。給料の引き上げに加えて、国民が投資をして少し豊かになると、それが消費に回る。『投資の成功体験』が国の中に広がることで、日本経済全体にプラスになるだろう」

 「重要なことは、個人投資家が豊かになり、経済をまわす回転が動き出すことだ。われわれ運用会社は、投資家にお金を託してもらえる、使い勝手の良い商品を提供することが社会的責任だと思う」と話した。

 

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