公募株式投信(除くETF)、0.5%増の136兆円=3カ月連続で増加、過去最高を更新-11月の投信概況
2024年12月13日 08時30分
投資信託協会がまとめた11月の投信概況によると、公募株式投信(除くETF)の純資産総額は、前月比0.5%増の136兆4113億円と、3カ月連続で増加し、過去最高を更新した。
一方、公社債投信やETFを含む公募証券投信全体で見ると、純資産総額は前月比0.2%減の238兆0947億円となり、こちらは3カ月ぶりに減少した。
月間の新規設定ファンド本数は20本、償還本数は19本で、運用中のファンド本数は前月比1本増加して、5800本になった。
◆18カ月連続で流入超
公募株式投信(除くETF)の資金増減額はプラス1兆0172億円と、18カ月連続で流入超となった。新NISA(少額投資非課税制度)を通じて個人投資家からの資金流入が継続している。
一方、運用増減額はマイナス619億円だった。11月末は、NYダウが前月末比7.5%、ナスダック総合指数が同6.2%それぞれ上昇したものの、日経平均株価が同2.2%下落した。月末の円相場は1ドル=150円74銭と、前月末に比べて2.9円の円高だった。
公募株式投信(除くETF)の純資金流入額を「設定」と「解約・償還」に分解すると、「設定」は3兆4733億円となり、前月より増加した。「解約・償還」も2兆4561億円に増加した。
◆NISA元年、期待以上の結果に
松下浩一会長は、1月にスタートした新NISAの成果について「NISA元年の2024年は、期待以上の結果になった。つみたて投資枠は、毎月、資金流入が続いており、8月に相場急落したことも、あまり影響しなかった。成長投資枠も、スタート当初だけでなく、資金流入が続いている。投信元年と言っていいほどのインパクトがあった」と評価した。
新NISAの課題については「米国株のファンドに投資先が集中していることだが、投資に慣れるのに3~5年はかかるものなので、これから先のマーケットの状況を見ながら、徐々に日本株式が見直されるのではないか」と指摘した。その要因として、日本株が米国株に比べて割安であることや、日本企業の業績が4期連続増益になっており来期も好調な決算が期待できること-などを挙げた。
◆インデックスファンドの割合が35%に上昇
指数に連動する投資成果を目指すインデックスファンドが人気で、公募株式投信(除くETF)の純資産総額に占める割合は35.0%(昨年12月末は29.2%)に上昇した。松下会長は「来年も、インデックスファンドの割合は高まるだろう。アクティブファンドの中にはインデックスを上回るリターンを上げているものもたくさんあるが、手数料が安いので、『みんなが買っているインデックスファンドを買っておこう』と考える人が多いようだ」と分析した。
米国の運用会社は、インデックスファンドが拡大する動きに対抗して、上場株式や債券といった伝統的資産を代替するオルタナティブの投信を作ったり、非上場株の市場を育成したりしているという。