キャピタル、高成長IFAの実態調査=日本では初めて、「付加価値の提供」などが重要
2024年12月05日 08時00分
米系運用会社のキャピタル・インターナショナル(本社東京、小泉徹也社長)は、独立系ファイナンシャル・アドバイザー(IFA)実態調査「キャピタル・アドバイザー・スタディ・ジャパン2024」をまとめた。日本での調査は初めて。日本金融商品仲介業協会(中桐啓貴理事長)の協力で、7月に約300人のIFAを対象に実施した。
この調査の狙いは、日本のIFAの実態を指標化し、ビジネスの成長に影響するスキルを特定することで、アドバイザーの行動変容と業績向上に貢献することだ。米国では2020年から調査を実施している。
日本の調査では、預かり資産残高(AUM)・顧客数・売上げ(手数料収入)の伸びを総合し、上位33%に位置する者を「高成長アドバイザー」として、その成功の背景にどのようなスキル、行動、プロセスがあるのかを分析した。
それによると、高成長アドバイザーに共通する重点領域は、①新規顧客獲得への注力 ②付加価値の提供 ③明確なビジネス戦略-の3点だと指摘した。具体的には、高成長アドバイザーはそれぞれの領域で「潜在顧客を顧客にする割合が約2倍」「83%がサービスをカスタマイズ」「次年度の事業計画を持っている割合が43%高い」といった特徴があったという。
記者会見した小泉社長は、米国の動向について「今後20年間に、1946年から1964年に生まれたベビーブーマー世代の資産が、X世代やミレニアム世代に相続されていく。相続方針を決めていない75%のベビーブーマー世代と資産を受け取る世代へのアドバイスやサポートが重要になっており、家族へのアクセスが成長への足掛かりになっている」と紹介した。
中桐理事長は、日本のIFAの課題について「米国では、資産に対する管理費を収入の中心とするフィーベースのビジネスモデルが定着している。日本の場合、投信や外債等の売買手数料であるコミッションを中心とするIFAが多いので、お客さまとIFAの間に利益相反が発生しないフィーベースのビジネスモデルへ転換を進めていくことが重要だ」と述べた。