退職予定年齢は72.6歳=高齢者の意識調査で-生命保険文化センター
2021年06月11日 15時00分
生命保険文化センターが60歳以上の男女に実施した意識調査によると、現在就労している高齢者の退職・引退予定年齢は、平均で72.6歳だった。「実年齢より数年~5年先と回答する傾向がみられる」という。回答者の3割強が自営業者や会社員として働いていた。
この調査は昨年10~11月、全国の約2000人に聞き取り調査した。同センターは、2019年5月に「人生100年時代におけるライフマネジメント研究会」(座長・京都先端科学大学、西村周三教授)を設置、長寿社会の在り方を検討してきた。「家族」「健康」「家計」の三つの観点から、高齢者の考え方や生活実態を総合的に把握することで、人生設計の在り方を探る基礎資料とする。
家計状況を見ると、昨年1年間の世帯年収は平均421.3万円だった。公的年金の収入は同202.7万円、就労収入は同216.7万円だった。一方、夫婦の生活費(月額)は平均21.1万円で、医療・介護費用(月額)は同2.33万円だった。
金融商品については、損失回避の意識が高く、「投資する」は15.4%にとどまり、「投資しない」「どんな金融商品であっても投資しない」が83.8%を占めた。
退職後の資産形成の状況(重複回答)を見ると、預貯金が66.4%、生命保険(個人年金・終身保険)が51.3%と、上位だった。次いで、少額投資非課税制度(NISA)が10.2%、不動産の売却・賃貸が7.5%、株式や債券などの有価証券が7.4%だった。(了)