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〔マーケット〕日本株、上昇基調が継続=ヒト、モノ、カネの不足で-日興アセット・神山氏

2024年10月24日 08時00分

神山直樹氏

 日興アセットマネジメントは、四半期ごとにまとめる経済見通し「グローバル・フォーサイト」の2024年秋号をまとめた。チーフ・ストラテジストの神山直樹氏は「米国の消費が順調で日本の輸出が高い水準で推移する中、日本経済はヒト・モノ・カネの不足が続いており、日本株は上昇基調が継続する」と予想した。主なポイントは以下の通り。

◆米大統領選、衆院選の影響

 11月5日に米大統領選が行われる。短期的に相場が変動する可能性はあるが、民主党のハリス氏と共和党のトランプ氏のどちらが勝利しても、年明け以降のGDP成長率やインデックスの見通しに影響はないと見ている。

 10月27日に衆院選が行われる。与党が議席数を保てば、政策実行能力が高まり、株式市場にポジティブだ。メインシナリオとして、与党が議席を減らすものの過半数を維持するケースを想定している。与党が大幅に議席を減らし政権交代が起こった場合は、政策が不透明になるため、株式市場はリスクオフになると思われるが、発生確率は低いだろう。

◆米国経済と日本経済

 米国経済は、雇用指標や小売売上高が堅調に推移しており、ソフトランディングを想定している。消費が順調で、輸入も高い水準で推移している。

 こうした中、日本の輸出はリーマン・ショック前のピークを越えて推移している。日本経済は、ヒト・モノ・カネが「余剰」から「不足」に転じることで、賃金が上がり、設備投資が増え、金利がプラスになるだろう。これからの日本は、日本株が上昇し、金利が上がる。内需がけん引することで、円高でも大丈夫な経済になると見ている。

こうした経済を実現するには、労働市場の改革がカギになる。新政権には、成長分野へ人の移動が活発になる政策を期待したい。賃金が上昇し、求人が活発な今こそ、次の景気後退期に備えて改革を推進することが重要だ。

◆株価、為替の見通し

 2025年9月末時点で、日経平均株価は4万3341円、円相場は1ドル=137.7円を予想している。インフレ率は2%程度になるだろう。

 日銀の利上げで日本の短期金利(無担保コール翌日物レート誘導目標)は、0.75%程度に上昇するだろう。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げで米国の短期金利(FFレート誘導目標)は3.70%程度に低下すると見ており、日米の金利差縮小により円高が進むだろう。

 

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