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NISA、前倒しで政府目標の達成も=「リスクの自覚」と「資産分散」が重要に-モーニングスター・ジャパン

2024年10月11日 08時00分

元利大輔氏

 モーニングスター・ジャパンは「NISA概要レポート2024年第3四半期」を公表した。金融庁が9月に公表した「NISA利用状況」によると、2024年第2四半期(4-6月)のNISAにおける買付額は3兆9565億円だった。第1四半期(6兆1777億円)と合わせて、上半期で10兆円を突破した。

 マネジャーリサーチ部長の元利大輔氏は「2024年の年間買付額が15兆円を超える可能性もあり、今年末には累計買付額が50兆円を突破することもあろう」と分析。「『2027年末までに累計買付額を56兆円』とする政府目標は大幅に前倒しされ、2025年中頃までには達成されると予想される」と指摘した。

◆投資初心者「分散投資の観点でファンド選定を」

 その上で、投資家の投資行動について、「NISAをきっかけに『貯蓄から投資へ』の流れが定着しつつある一方で、資金流入は株式型の投資信託へ偏っており、長期分散投資が根付いているかは疑問である」(元利氏)と厳しく評価した。

 NISAで初めて投資を行った投資家が少なくないと想定されることから、「特に投資初心者に対しては、分散投資の観点でファンド選定を行うことが重要になろう」(同)と指摘。

 運用会社や販売会社に対して「投資する資産特有のボラティリティ(リスク)についての投資家の自覚を促し、必要に応じて資産の分散を勧めるなど、どのような市場局面にあっても投資家が投資を続けられるような情報提供やサポートがますます重要となろう」(同)と呼びかけた。

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