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しばらく神経質な動きに、船舶航行に注目=米・イスラエルのイラン攻撃で-アモーヴァ・アセットの神山氏

2026年03月02日 08時30分

神山直樹氏

 アモーヴァ・アセットマネジメント チーフ・ストラテジストの神山直樹氏は、米国とイスラエルによるイラン攻撃の経済・市場への影響について、コメントを公表した。

 市場の見通しについて「トランプ大統領は軍事行動の結果としての米国内のインフレを最も嫌うはずであり、周到な軍事行動計画がたてられていると想定でき、リスク・シナリオの発生確率は低いだろう。それでも市場の恐怖心が短期的に日米金利高、円安、(模様ながめの)株安をもたらす恐れはあり、しばらく神経質な動きとなりそうだ」と分析した。

 軍事行動の状況については「2025年6月の米軍による攻撃の際は1日のみで、核関連施設への空爆のみに終わり、イランの報復も限定的だった。ただ、今回は、米・イスラエルはハメネイ師殺害と政権転覆を狙ったとされ、イラン国内反政府活動支援のため政府機能を破壊するまで長期の攻撃を行い、イラン側もこれまで以上の報復を行う可能性がある」と見られる。

 マーケットが描くメイン・シナリオは、「イランの軍事行動は米軍などによって概ね抑え込まれ、サウジアラビアやUAE(アラブ首長国連邦)の産油施設の被害は軽微にとどまり、ホルムズ海峡付近で滞留しているタンカー等海運への支障も数週間程度の短期間で済むというものだ。この場合、一時的に石油価格が上昇しても長期的に日本を含む世界経済への影響はほとんどないと考えられる」という。

 リスク・シナリオは「予想以上にイランの報復が強くかつ持続し、湾岸諸国の石油生産や輸出に3カ月以上の支障が出る場合だ。石油価格の80〜90ドル程度への上昇が見込まれ、米国内のインフレ圧力が市場で警戒され、米国金利上昇が続く恐れがある。それ以上に、日本やアジアなど湾岸諸国への石油依存度が高い地域での問題は、価格ではなく油量の不足だ。原油が数カ月以上届かず、日本で8カ月分程度あるとされる備蓄が減り、電力供給が制約されて一部産業で生産活動が削減されるような事態になることが大きなリスクだ」と指摘した。

 今後の注目点については「当面は、目先の石油価格の上昇もさることながら、船舶航行が長く停滞するかどうかが注目される」と述べた。

 

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