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日本の株式ファンド、「投資家リターン」がファンド成績を上回る=積み立て投資が奏功-モーニングスター・ジャパン調査

2024年09月13日 08時00分

元利大輔マネジャー・リサーチ部長

 モーニングスター・ジャパンは調査レポート「Mind The Gap(リターンのズレに注意)日本版2024年」を公表した。日本では株式に投資するファンドで、投資家による売買タイミングを加味したインベスター・リターンが、ファンドの運用成績(トータル・リターン)を上回った。インデックスファンドを中心として投資家が毎月一定額を購入して継続保有する「積み立て投資」が奏功した。

 トータル・リターンは、分配金を加えた総合的な損益率で、ファンドの運用成績を示す。一方、インベスター・リターンは、購入や売却など資金の流出入を勘案した収益率だ。例えば、足元のパフォーマンスが好調のファンドを高値づかみしてしまい、安値で売却したといった投資家が多ければ、インベスター・リターンは低下してしまう。

 日本の公募株式投信(除くETF)の株式に投資するものについて、2024年6月を基準にインベスター・リターンとトータル・リターンの比較したところ、その差は、直近3年ではプラス0.6%、直近5年でもプラス0.3%と「正のギャップ(Gap)」になった。

 株式投資のETFでは、日銀が金融緩和政策の一つとして相場下落時にETFを買い入れてその後も継続保有していることから、直近5年でプラス0.2%、直近10年でプラス0.6%と「正のギャップ」だった。

 元利大輔マネジャー・リサーチ部長は「流行りのファンドをパフォーマンスを追いかけて購入したり、ファンドを短期的に売買したりするのではなく、長期投資の観点でファンを選択し保有し続けることが、最終的には良い投資結果をもたらすであろう」とアドバイスしている。

【ホームページ】モーニングスター・ジャパン「レポート&コラムページ」
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