ウォール・ストリート・ジャーナル
バロンズ・ダイジェスト

マーケットニュース

公募株式投信(除くETF)、増加額が過去最大に=残高は8カ月連続で過去最高-6月の投信概況

2024年07月12日 08時00分

 
(出所)投資信託協会(出所)投資信託協会(クリックで表示)

 投資信託協会がまとめた6月の投信概況によると、公募株式投信(除くETF)の純資産総額は、前月比5.2%増の131兆9574億円となり、8カ月連続で過去最高を更新した。

増加額は6兆4846億円で、23年11月(6兆3121億円)を超え、過去最大になった。新NISA(少額投資非課税制度)を通じて個人投資家から高水準の資金流入が続いているほか、株価上昇や円安が運用益の増加に貢献した。

 公社債投信やETFを含む公募証券投信の純資産総額は、前月比3.6%増の237兆3889億円となり、2カ月連続で過去最高を更新した。

◆新NISA以降、高水準の設定続く

(出所)投資信託協会(出所)投資信託協会(クリックで表示)

 公募株式投信(除くETF)の資金動向は、1兆5025億円の純資金流入と、13カ月連続で流入超になった。この数値を「設定」と「解約・償還」に分けると、設定は3兆6996億円だった。新しい少額投資非課税制度(NISA)がスタートした1月以降、前年平均の2兆3911億円を大きく上回る設定が継続している。

 松下浩一会長は、今後について「引き続きNISAが普及し、口座開設が広がり、徐々に投信市場に資金流入する動きが当分、続くのではないかと予想している」と述べた。

◆1ファンドあたりの規模が拡大

 投資信託協会のまとめによると、「1ファンドあたりの純資産総額」は6月末時点で404億円だった。ファンド本数が5873本に減少していることに加えて、株高などによる資産額の拡大が貢献した。ファンド本数が6163本とピークだった2018年1月は、1ファンドあたりの純資産総額は183億円だった。

 松下会長は「2018年当時、日本の投資信託の規模は米国の20分の1だったと記憶している。それが10分の1まで追い付いた。運用各社は、(規模の小さなファンドの)統合や早期償還を進めているが、ファンドの本数の減少は、まだまだこれからだと感じている」と述べた。

◆J-FLEC、「国民の金融リテラシーの向上に期待」

(出所)投信協会「投資信託の主要統計2024年6月」(出所)投信協会「投資信託の主要統計2024年6月」(クリックで表示)

 国民の金融リテラシーの向上に向けて官民で設立した「金融経済教育推進機構(J-FLEC)」は、8月から本格稼働する。これについて松下会長は「金融教育を受けた人の割合を7%から20%に高めることが、J-FLECの一番大きな課題だ。マネープランなどを示して、金融に対する知識を高めることは、大変有意義なことだ」と指摘した。さらに「J-FLECはアドバイザーを2倍以上にすることもめざしており、金融知識のある国民が拡大することを期待したい」と述べた。

◆個人金融資産に占める投資信託、初の5%台に上昇

松下会長

 日銀がまとめた1-3月期の資金循環統計(速報値)によると、個人金融資産に占める投資信託の割合は5.4%に上昇した。

 

 

ウォール・ストリート・ジャーナル
オペレーションF[フォース]