NISA、驚異的なペースで拡大=政府目標の前倒し達成も-モーニングスター・ジャパンがレポート
2024年07月05日 11時55分
モーニングスター・ジャパンは、「NISA(少額投資非課税制度)概要レポート2024年上半期および第2四半期」をまとめた。
金融庁が公表した第1四半期(1-3月)のNISAにおける買付額は、約6.2兆円となり、第1四半期だけで昨年の年間買付額を上回った。これにより累積積立額は41.6兆円に拡大した。
これについてレポートは「驚異的な増加ペース」と評価。「このペースが今後も続くことは考えづらいが、今年末には累計買付額が45兆円を突破し、政府目標(2027年末までに56兆円)は、前倒しで達成可能だろう」と予想した。
◆分散投資の観点でのファンド選定が重要に
一方、第2四半期(4―6月)の公募投資信託の販売状況を見ると、第1四半期と同様に世界株や米国株のインデックスファンドや毎月分配型ファンドが上位を占めた。
このほか、インドを含む新興国株式や半導体関連の投資信託がランクングの上位を占めたことについて、「アセット・アロケーションのコアとなり得るファンドというより、テーマ性の強い株式ファンドがランクインしていることは、長期で安定した資産形成を行うという観点からはやや危うい点である」と分析。「投資家は、分散投資の観点でファンド選定を行うことが、今後は重要となろう」とアドバイスした。
さらに、運用会社や販売会社に対して「投資する資産特有のリスクについて投資家の自覚を促し、必要に応じて資産の分散をすすめるなど、どのような市場局面にあっても投資家が投資を続けられるような情報提供やサポートがますます重要となろう」と指摘した。
◆高格付けファンドに純資金流入
ファンドの販売動向を「格付け」の観点から分析すると、上半期は「5つ星」や「4つ星」のファンドが純資金流入となり、「2つ星」や「1つ星」のファンドが純資金流出となった。
これについてレポートは「投資家が過去のパフォーマンスを参考にしてファンドを選定していることの表れであり、このような投資行動はファンドの運用者に良い緊張感をもたらし、日本の投資信託市場がより健全に発展していくことに大きく寄与するものだ」と評価した。
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