「下落はチャンス」=積み立て投資の理解深まる=野村AMのアンケート
2020年10月29日 09時40分
野村アセットマネジメント住田友男シニア・ストラテジスト
野村アセットマネジメントが、コロナショックで世界の株式相場が急落した3月に実施したアンケート調査によると、積み立て投資をしていた個人投資家では「(株価が)下落しても安く買えるから」と冷静に状況を捉えて、投資を継続した人が多かった。
アンケートで、投信で積み立て投資していた投資家に「相場急変時にどのような行動を取ったか」を尋ねたところ、「積み立て投資を継続した」が39%と最も多く、「新たに一括投資した」という回答も10%あった。合わせて約5割が「継続・新規投資」を行った。「中止」は9%だった(図)。
継続した人に理由を尋ねたところ、4割近くの人が「積み立て投資なら、下落しても安く買えるから」を選択した。調査を担当した同社シニア・ストラテジストの住田友男氏は「われわれの想定以上に積み立て投資のメリットを理解し、しっかりと資産形成に向き合っている人が多いという印象を受けた」と話している。
住田氏は、証券投資について「一般的に『安く買って、高く売る』ことで利益を獲得するが、マーケットの先行きを予想することは難しく、『どの時点が安いか、高いか』は誰にも分からない」と指摘した上で、「積み立て投資は、毎月一定額を購入し、『安い』ときには量的にたくさん、『高い』ときには少なく買うことで、購入平均価格(買いコスト)を抑制し、値上がり益の獲得を目指すことができる」とメリットを説明している。
調査は、昨年12月末時点で投信や株式を保有していた20~89歳までの男女約5300人を対象に、インターネットで実施した。3月は、感染拡大防止のために世界の主要都市がロックダウン(封鎖)され、米国を代表する株価指数のダウ工業株30種平均が過去最大の下げ幅で急落するなど、値動きの激しい展開だった。(了)
NYダウ
米国株式市場の値動きを示す代表的な株価指数。ウォール・ストリート・ジャーナル発行元のダウ・ジョーンズ社が1896年から算出を開始。世界で最も …