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気候変動、地政学、AIで変わる世界経済=今後10年の期待リターン・リスクを再計算=アムンディ

2024年04月12日 14時00分

 気候変動政策の遅れ、地政学リスクの高まり、人工知能(AI)の導入等により、世界経済の再構築が進展する-。

 欧州の大手運用会社アムンディ・アセット・マネジメントは、こうした変化を織り込んだ経済シナリオを作成し、アセットクラスごとに今後10年の期待リターンやリスクを再計算した「資本市場予想2024年版」をまとめた。

 気候変動や地政学の緊迫化は、マーケットのリスクを高める。一方でAIによる生産性向上が、経済的負担をわずかに軽減する可能性があるという。

 アセットクラス別に見ると、ポートフォリオのエンジンとして債券が復活する一方、株式は全体としてリターンの低下が見込まれる。そうした中で、相対的に新興国株式の魅力度が高まるという。

(出所)アムンディ・ジャパン(出所)アムンディ・ジャパン(クリックで表示)

 具体的には、グローバル株式の今後10年期待リターン(年率平均)は、5.9%(過去10年実績は9.0%)に低下すると予想した。一方で、新興国株式の期待リターンは同7.0%(実績は5.2%)に上昇するだろう。地域別では、インドがトップを維持。先進国の中では、欧州と太平洋地域(除く日本)を選好するという。

 レポートで、モニカ・ディフェンド氏(ヘッド・オブ・アムンディ・インベストメント・インスティチュート)は「勝ち組と負け組が大きく入れ替わる可能性がある」と指摘した。

 また、ヴァンサン・モルティエ氏(グループ・チーフ・インベストメント・オフィサー)は「アセットクラスのリスク・リターン特性の変化に対応する必要がある」と述べた。

 マテオ・ジェルマーノ氏(デピュティ・グループ・チーフ・インベストメント・オフィサー)も「戦略的資産配分を見直し、実物資産やオルタナティブ資産を組み入れることで、分散投資をさらに強化、拡大することが求められる」と強調した。

 

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