公募投信残高、227兆円に拡大=5カ月連続で過去最高を更新-3月の投信概況
2024年04月12日 08時30分
投資信託協会がまとめた3月末の公募投信残高は、前月比3.9%増の227兆0411億円となり、5カ月連続で過去最高を更新した。日銀や機関投資家が多く保有する上場投信(ETF)を除いた残高は、前月比3.9%増の121兆4779億円となり、こちらも5カ月連続で過去最高を更新した。
(出所)投資信託協会(クリックで表示)
公募株式投信(除くETF)で資金動向を見ると、国内・海外・内外株式型や内外資産複合型などに資金流入が継続したことで、1兆2800億円の純資金流入となり、10カ月連続で流入超になった。
設定額と解約・償還額の推移をみると、3月の月間設定額は3兆8645億円だった。1月以降、昨年1年間の平均(2兆3911億円)を大きく上回る設定が継続している。新しいNISA(少額投資非課税制度)の開始等が大きく影響しているようだ。
年度ベースでみると、2023年度の資金増減額は13.3兆円、運用増減額は51.8兆円と、いずれも過去最高だった。日経平均株価が約34年ぶり史上最高値を更新し、その後も4万円台に上伸するなど、世界的に株価が上昇した。
(出所)投資信託協会(クリックで表示)
松下浩一会長は、投信市場に資金流入が継続していることについて「これからインフレになるから投資をやらなければいけないということに気づいて、商品としては投信が良いだろうという人が増えてきた結果だと思う」と分析した。その上で「投信に対する認知が徐々に広がっていくことで、継続的にNISA(少額投資非課税制度)を代表的なものとして、投資が拡大していくのではないか」と指摘した。