NPO法人で高校生世代に金融経済教育=冬休みの食料支援で寄付-三菱UFJアセットマネジメント
2026年03月17日 07時30分
(三菱UFJアセットマネジメント提供) 三菱UFJアセットマネジメントは、認定NPO法人キッズドア(東京、渡辺由美子理事長)に冬休み中の食料支援の寄付を行い、高校生世代の子どもたちに金融経済教育を提供するボランティア活動を行った。キッズドアは2007年から「日本の子どもの貧困」に取り組むパイオニアだ。
この活動に参加した、経営企画部兼サステナビリティ推進室シニアマネジャーの清水祥一郎氏と、人事総務部マネジャーの守吉かおる氏に、活動の経緯や取り組みについて聞いた。
◆体験格差の解消が課題に
-活動の経緯は
(清水氏)清水氏 社内の有志が集まって、2024年度にボランティア組織「エミット」を立ち上げた。当社が所在する東京・港区には、企業と社会福祉協議会が参加する「企業の社会貢献活動支援(みなとネット)」がある。そこに参加して情報収集する中で、キッズドアの渡辺理事長の講演を聞く機会があった。
キッズドアは、貧困家庭に食料支援や学習支援等を行っている。講演の中で、子どもたちは部活動や習い事に参加できなかったり、先生以外の大人と話をする機会が少なかったりする「体験格差」があるという話を聞いた。みなとネットに参加する企業は、さまざまなイベントを企画して、子どもたちに体験の機会を提供している。
エミットは、各地の学校で金融経済教育を提供してきたので、渡辺理事長にそうしたイベントを打診したところ、「お金で困っている世帯の子どもたちだからこそ、お金の話に興味があるだろう。アルバイトをして自分でお金を稼いでいる子どももいる。高校を卒業して社会に出る子どももいるので、勉強の機会があるとありがたい」と快諾していただいた。
-食料支援を目的とした寄付は
清水氏 冬休みや夏休みは、学校が休みになって給食がない。3年間続いたコロナ禍や、物価高によって、貧困家庭に対して支援が必要になっている。
寄付は、三菱UFJフィナンシャル・グループの社会貢献活動「MUFJ SOUL~熱い想いを社会のチカラに」の一環として実施した。役職員一人ひとりが企画した社会課題解決のアイデアに対して、活動資金が拠出される。
身近な社会課題を起点に、実際に行動することで、多岐にわたる社会課題の解決に貢献することをめざした取り組みで、「次世代育成・子ども支援」は優先領域の一つになっている。
◆漠然とした不安を希望に変える
-金融経済教育の内容は
(守吉氏)守吉氏 金融経済教育では、高校生世代の子どもたちに、金融リテラシーを育み、ライフプランニングを行う重要性について考えてもらった。
その後、シミュレーション型のWebアプリゲームを使って、社会人になってから退職するまでの人生を想定した資産運用を体験した。ゲームの中で、いろいろなライフイベントを通じて、お金とどう向き合っていくかを自分事として考える機会を提供できたと思う。
ゲームの後には、資産運用の成果を振り返り、「コツコツ積み立てながら、分散して、長期にわたって投資を続けることの重要性」を話し合った。
物価高や老後不安で、将来に対して希望を持てない人が多いと言われている。ただ、漠然と不安に思っているのではなく、資産形成や資産運用に取り組むことで、将来の選択肢を広げることができる。資産形成や資産運用という手段を知ってもらうことで、将来に希望を持ってもらいたいと思う。
◆「お金は怖い」が、プラスのイメージに変わった
-参加者の感想は
清水氏 参加者からは「なかなか体験できないお金の運用について知ることができてよかった」、「お金のことはただ『怖い』という認識だったが、プラスのイメージになった」、「難しいというイメージがあったが、とれも分かりやすくて勉強になった」などの声が寄せられた。
キッズドアのスタッフからは、いろいろな世代の大人と話す機会にしてほしいという要望をいただいたので、ボランティアには20~60歳台の幅広い社員が参加した。
◆18歳から成人、早期の金融経済教育が重要に
-金融経済教育を参加した感想は
清水氏 学校で金融経済教育の授業を行うときと違って、小人数だったので、1オン1でコミュニケーションできた。ワークで学んだこと以外で、高校生世代の身近な関心や相談事を聞く機会になって、新鮮だった。社会人の先輩として、いろいろな質問に答えることができたのも良かった。NISA口座を開設してセミナーに出席してくれた人もいるなど、資産運用に関する関心は高かったようだ。双方向にプラスになる有意義な機会だった。
守吉氏 参加者の多くが18歳前後だったので、成年年齢の引き下げにより、自分で携帯電話を契約できたり、クレジットカードなどを保護者の同意なしに作れたりするようになり、自分で責任を負うべき領域が広がることについて、関心が高かった。
最近では、SNSを通じた詐欺なども多いので、正しい知識を知っておくことが大切だ。幼いころからスマートフォンやSNSが当たり前の世界で生活してきた世代だからこそ、自分の目でしっかり情報をキャッチし、判断して、行動に移すという金融リテラシーの重要性が高まっていると感じた。
◆金融経済教育は、約20校で1000人あまりに提供
-エミットの活動は
清水氏 ボランティア活動組織の名称の「EMMIT(エミット)」は、「笑み」と「コミット(献身)」を組み合わせた造語。三菱UFJアセットマネジメントでは、従来からサステナビリティの取り組みは行っていたが、社員がより自主的に参加をできるよう、有志によるボランティア組織を立ち上げた。
当社は、『「あなた」と「社会」の豊かな未来に貢献する』を経営ビジョンに掲げており、エミットは、これを実現するための優先的重要課題である「金融インフラとしての資産運用の普及」と「気候変動」をテーマに、自主的に活動している。
金融経済教育は、2024年度にスタートした。初年度は数校だったが、2025年度は20校弱の小中高校、大学で、延べ1000人あまりに金融経済教育を提供した。「気候変動」についても、外来種の草の除去、砂防林の整備、家族も参加してビーチ清掃などを行った。
<目録贈呈の様子、(左)キッズドア 渡辺 由美子 理事長、(右)三菱UFJアセットメント常務執行役員 金澤栄道氏、三菱UFJアセットマネジメント提供> 環境保全に関して、三菱UFJアセットマネジメントは2007年から、岩手県岩泉町および三菱製紙と連携し、「FSC森林認証の森」サポーター制度を進めてきた。「三菱UFJアセットマネジメントの森(通称:MUAMの森)」では毎年、社員が森の整備に参加している。また、岩泉町の中学校で、金融経済教育を提供している。
こうした活動を単に社会貢献活動に終わらせることなく、それぞれの職場で、こうした体験をそれぞれの業務に活かすことが大切だと思う。金融教育を提供した子どもたちは、将来の顧客だ。彼らに役立つ商品を提供することが重要だ。サステナブル投資に当たっても、肌で感じた環境保全の意識を活かすことができるだろう。



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