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価格変動に一喜一憂せず、シナリオの動きに目を配る=混乱続くイラン情勢で-アモーヴァ・アセットの神山氏

2026年03月17日 08時30分

(神山氏)(神山氏)

 アモーヴァ・アセットマネジメントのチーフ・ストラテジストの神山直樹氏は、混乱が続くイラン情勢の市場への影響と投資家の心構えについて、コメントを公表した。

 「原油価格の変動が大きい状態が続き、金利や株価もそれに応じて不安定な動きになるだろうが、目先の価格変動に一喜一憂するのではなく、シナリオの動きに目を配ることが大切だ」と指摘した。

 神山氏は、メイン・シナリオとして「米・イスラエルによるイランへの攻撃が4~5週間は続くものの、イランの軍事行動は米軍などによって制圧されて和平交渉へ進む。サウジ・アラビアやアラブ首長国連邦(UAE)の産油施設への被害は軽微に終わり、ホルムズ海峡付近で滞留しているタンカーなど海運への影響も数週間程度で済む」と想定した。

 現状については「直近1週間程度の報道等を振り返ると、メイン・シナリオに変更はないものの、リスク・シナリオの発生確率がやや上昇したと考える。もっとも、メイン・シナリオでも米・イスラエルによる4~5週間の攻撃継続を想定していたので、現段階で本質的な変化が生じて、問題が悪化していると判断するのは時期尚早だろう」と分析した。

 リスク・シナリオは、「ホルムズ海峡を経由する原油輸送が3~6ヵ月程度停止し、8ヵ月分あるとされる日本の石油等備蓄が枯渇する懸念が生じるというものだ。企業の生産停止や電力不足が、企業収益やGDP(国内総生産)を大幅に悪化させる恐れが高まると考えられる」。

 ただ、「G7(先進7カ国)が協調して石油備蓄を協調放出することに合意した。1日当たりの放出量が足りないとして、原油価格の値下がりは限定的だが、備蓄を放出しながらガソリン価格の上限を規制するなどで、当面、世界の消費への悪影響を抑えることは可能と考える」。

 また「米国は今年11月に中間選挙を控えており、いつまでも原油価格の高騰を見過ごすことはできないだろう。イランと湾岸諸国との関係悪化も戦略的に持続可能とは思えない。OPEC(石油輸出国機構)にとっても、原油の代替エネルギーの開発が進むことは望ましくないはずで、外交努力はさらに強まるだろう」

 さらに、「今後半年以上の時間が経過すれば、サウジ・アラビアによる紅海側へのパイプラインの強化、米国の産油・輸出量の増加、ベネズエラの市場復帰も期待できるなど、さまざまな対応が進み、日本やアジアが長期にわたり原油を入手できないということはないだろう」と分析した。

 

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