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ゲームでファンドマネジャーを体験=子どもの職業アプリに新コンテンツ-AM-Oneとキッザニアが共同開発

2024年03月27日 10時00分

キッザニア オンラインカレッジ

 子どもの職業体験アプリ「キッザニア オンラインカレッジ」に、ファンドマネジャーの仕事を学べる新コンテンツが加わった。運用会社大手のアセットマネジメントOneと、子どもの職業・社会体験施設「キッザニア」を企画・運営するKCJ GROUPが共同開発したもので、両社は26日記者会見し、その内容を披露した。

 「キッザニア オンラインカレッジ」は、3~15歳を対象とした職業体験アプリだ。スマートフォン等でアクセスして、誰でも無料で利用できる。現在はファンドマネジャーを含め、動画クリエイターやAIエバンジェリスト、声優、ネイリストなど、八つの職業が用意されている。

 ファンドマネジャーコースは、「動画」「トレーニング」「ワークショップ」の三つのコンテンツを順番に進めていくことで、楽しみながらファンドマネジャーの仕事を学べる。

 「動画」は、小学生がアセットマネジメントOneの現役ファンドマネジャーに仕事内容を質問したり、一緒に会社訪問や投資戦略会議に参加したりする内容。ファンドマネジャーが情報収集し、投資判断する様子が分かる。また、投資によって社会にお金がめぐることを学ぶことができる。

 「トレーニング」は、ロールプレイング・ゲームになっており、ファンドマネジャーになりきって、10年先に向けて投資家から預かった資金を企業に投資し、その成果を競う。人々の話を聞き、情報を集め、投資を判断する体験ができるほか、投資した企業が成長することで私たちの生活に必要な商品やサービスが提供され、より良い社会の発展に貢献することを実感できる。

 「ワークショップ」は、アセットマネジメントOneの現役ファンドマネジャーと直接対話できるオンラインミーティングで、年2回程度の開催を予定している。このアプリから申し込むことができ、第1回目は4月ごろの開催を予定している。

◆「投資と社会のつながり」を体感できる-杉原社長

 アセットマネジメントOneの杉原規之社長は、記者会見であいさつし、「1月からスタートした新NISA(少額投資非課税制度)をきっかけに投資への興味が高まっている。投資と社会のつながりを子どもたちに体感してもらえる、新たなコンテンツの提供により、さらなる金融経済教育の推進につなげていきたい」と抱負を語った。

 また杉原社長は「資産運用会社は二つの大きな役割がある」と指摘。①お客さまの資産の受託者として個人の資産形成を推進し、金融資産を活性化すること ②責任ある投資家として、企業との対話等を通じて企業価値向上に貢献し、新しい付加価値の創造により社会・環境問題を解決していくこと-を挙げ、「一連のサイクルがお客さまのリターンと企業価値の向上につながり、『投資の力で未来をはぐくむ』という好循環につなげる原動力になればと考えている」と話した。

◆「生きる力」に金融経済教育は不可欠-宮本副社長

キッザニア オンラインカレッジ

 KCJ GROUPの宮本美佐副社長は、オンラインカレッジについて「キッザニアの施設を出ても、いつでもどこでもキッザニアの体験ができるように2022年11月にリリースした」と紹介した。その上で新コンテンツについて「施設では、働いた対価としてお金を受け取り、それを預けて使うことができる。このファンドマネジャーコースでは、さらに進んで『社会にとってのお金の役割』を体験できるようになっている。『投資の力で未来をはぐくむ』という想いをこのコンテンツに込めている」と述べた。

 宮本副社長は、キッザニアの教育に対する考え方について、「エデュケーション(教育)とエンターテインメント(娯楽)を合成した『エデュテインメントで子どもたちの生きる力を育む』を企業ミッションに掲げている。例えば、人とつながる力とか、やり抜く力、自己肯定感など、変化の激しい社会に主体的に関わっていく力を身に付けてほしいと考えている」と説明した。

 その上で「社会に主体的に関わるには、金融経済教育は切り離せない。ファンドマネジャーコースを通じて『社会にとってのお金の役割』を体験しながら、自分たちの社会や暮らしの在り方について、気づきを得てくれることを心から願っている」と述べた。

◆ファンドマネジャーをあこがれの職業に-伊藤所長

 アセットマネジメントOneの執行役員企画本部副本部長兼アセットマネジメントOne未来をはぐくむ研究所長の伊藤雅子氏は「今年は新NISAがスタートし、日経平均株価も史上最高値を更新するなど、たいへんに投資が盛り上がっている。ただ一方で『投資は怖い、難しい』と感じる方も多くいらっしゃると思っている。知識のみならず、行動や体験につながるような情報発信を、金融業界にとどまらず異業種とコラボレーションして進めていきたいと考えている」と抱負を述べた。

 伊藤所長は、このコンテンツの特徴を3点説明した。1点目は、この企画が新入社員のプレゼンテーションから生まれたことだ。「投資の理解をもっと浸透させるには子どもたちへのアプローチが重要ではないか。ファンドマネジャーという職業を知ってもらうことで資産運用会社にもっと親しみを持ってもらえるのではないか」というアイデアを実現した。

 2点目は、オンラインカレッジで提供することだ。「投資を1回で理解するのは難しい。繰り返し学ぶことで身に付くものだと考えている。いつでも、どこでも体験できるオンラインカレッジだからこそ、投資の理解を浸透できると考えた」という。

 そして最後に「ファンドマネジャーは、まだ特殊な仕事で、人気が高い職業ではないと思うが、いつかファンドマネジャーが子供たちのあこがれる職業の一つになる頃には、世の中の投資のイメージがずっと良くなっていると思う。そうした想いでこのコンテンツを育てていきたい」と話した。

◆お金が循環して、暮らしや社会を良くしてくれる

 今月は、経済協力開発機構(OECD)の「金融教育に関する国際ネットワーク(INFE)」が提唱する「グローバル・マネー・ウィーク」で、世界各地で子どもや若者に対して金融経済教育が実施されている。

 この日は、この主旨に賛同し、キッザニア東京子ども議会の小学生8人が参加し、アセットマネジメントOneの現役ファンドマネジャーと模擬投資戦略会議を開き、どの企業に投資したいか、事業内容について熱心に話し合ったり、公開されたばかりのファンドマネジャーコースのロールプレイング・ゲームを楽しんだりした。

 参加した小学生からは「とても楽しいゲームだった」といった感想のほか、「お金が循環して、私たちの暮らしや社会を良くしてくれることが分かった」といった声が聞かれた。

【ニュースリリース】アセットマネジメント One とキッザニアによる共同開発「キッザニア オンラインカレッジ」にファンドマネジャーコース提供開始~社会とのつながりを体感するコンテンツを通じて、金融経済教育をともに推進~
https://www.am-one.co.jp/pdf/news/352/240326_AMOne_newsrelease.pdf

 

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