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カーボンニュートラル加速で日本企業を底上げ=機関投資家向け日本株ファンドを新設-AM-One

2024年02月26日 08時30分

 アセットマネジメントOneは、温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すカーボンニュートラル(CN)の実現に向けて、機関投資家向けの国内株式ファンド「AMOneオールジャパン・カーボンニュートラル戦略ファンド(適格機関投資家限定)」を新規設定した。

 CNを推進する企業に投資し、エンゲージメント(対話)を通じて企業の取組みを後押しする。日本企業のCNを加速することで、日本市場全体の中長期的な企業価値向上を推進する。

 新ファンドの狙いや特徴を、執行役員 運用副本部長の村松茂樹氏らに聞いた。

-新ファンドの狙いは。

村松氏 資本主義のルールは「持続可能な社会への適合」という新しいステージに向かっている。CNの取組みを広く日本企業全体に働きかけ、社会課題を克服することで、日本市場全体の成長力の底上げを目指す。

 当社は、機関投資家や個人投資家の資金をお預かりして運用しており、日本の上場企業全体の約2%(浮動株考慮後は約4%)の株式を保有している。これまでも日本企業全体について持続可能な社会への適合に向けてエンゲージメントを実施してきたが、このファンドにより、取組みをさらに強化する。

-ポートフォリオの工夫は。

村松氏 このファンドは、日本の代表的な銘柄に幅広く投資し、日本企業全体の脱炭素の取組みを後押しする。ポートフォリオの温室効果ガス排出量を「ネットゼロ・シナリオ」に整合させるとともに、当社独自の「ネットゼロ適合性判定」をポートフォリオ構築に反映させる。

 機関投資家は、東証株価指数(TOPIX)を運用のベンチマークとしていることから、東京市場全体の値動きに追随することにも配慮することで、機関投資家と共に日本企業にCNへのトランジション(移行)を促していく。

-海外ファンドとの比較は。

青山祥一朗氏(運用本部 インデックスソリューショングループ ファンドマネジャー) 欧米では、例えばパリ協定に準拠し、ポートフォリオの温室効果ガス排出量を毎年一定量ずつ削減するファンドが、運用残高を伸ばしている。このファンドも、そうした仕組みを取り入れている。

さらにこのファンドは、当社が企業に対して独自に実施している「ネットゼロ適合性判定」や「ネットゼロに向けたエンゲージメントの成果」を勘案してポートフォリオを構築している点が、他にはない特徴だ。

-特徴の詳細は。

鷹羽美奈子氏(サステナブル・インベストメント・オフィサー) 特徴の一つ目だが、当社は、投資先企業のCNに向けた取組みを「野心(目標達成に向けたコミットメント)」、「目標」、「排出量の実績」「情報開示」「脱炭素に向けた定量的な計画」「CNと整合的な資本配分」の6項目で評価している。このファンドは、それを活用して評価の高い企業の保有ウェイトを高めるポートフォリオ構築ルールを採用した。

(出所)アセットマネジメントOne(出所)アセットマネジメントOne(クリックで表示)

 特徴の二つ目は、エンゲージメントを通して「6項目のうちのどれを実施できていないか」を企業に伝え、CNに向けた企業の取組みを後押ししている。8段階のマイルストーン(里程標)を設けて企業の取組みの進ちょく状況を評価し、ポートフォリオの投資ウェイトに加点している。

 

 

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