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新NISAで「高配当株ファンド」が人気=東証市場改革で企業の改善進む-三菱UFJアセットの鈴木氏に聞く

2024年02月26日 08時15分

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 新しいNISA(少額投資非課税制度)で、高配当株ファンドが人気だ。三菱UFJアセットマネジメント商品プロモーション部シニアマネジャーの鈴木志紀氏に、人気の背景や同社が運用する「日経平均高配当利回り株ファンド」について聞いた。

-人気の背景は。

鈴木氏 日経平均株価は、約34年ぶりに史上最高値(3万8915円、1989年12月末)を更新した(2月22日)。その背景の一つに、東証が昨年、上場企業の約半数が「PBR(株価純資産倍率)1倍割れ」になっていることに懸念を表明し、企業に対して改善に向けた方針の開示と実行を要請したこと等がある。

東証は「一過性の対応ではなく、持続的な成長を果たすための抜本的な取り組みを期待する」としており、今後、上場企業は収益力の改善に向けた取組みを一層強化していくと見られる。具体的な対応はさまざまだが、自社株買いの設定額が増加傾向にあるほか、株主還元策として増配など企業の配当政策もポイントの一つとして注目されている。

-「日経平均高配当利回り株ファンド」とは

鈴木氏 新NISAがスタートしたが、「インデックスファンド以外にも投資を考えている」「複雑な商品は避けたい」「日本株への投資を検討している」といった方に紹介したいファンドだ。新NISAの「成長投資枠」に加えて「つみたて投資枠」の対象ファンドになった。

 このファンドの特徴の一つは「シンプルな商品性」だ。日経平均株価採用銘柄の中から、予想配当利回りが高い上位30銘柄に投資する。昨年12月末時点では、30銘柄中24銘柄が「PBR1倍割れ」になっている。銘柄の入れ替えは年2回行い、組み入れ比率を決める際には流動性にも配慮している。

 特徴の二つ目は「高い予想配当利回り」だ。このファンドは、2018年12月から2023年12月の4年間で、月次の予想配当金利回りの平均が5.1%と、日経平均株価(同1.9%)を上回った。このファンドは、年2回分配金を出すことを目指すファンドで、「投資先企業の配当金と同等水準の分配金」を目指している。個別株の配当金をもらう感覚で、ファンドの分配金を受け取るイメージだ。

 三つ目は「NISAでの活用法」だ。NISAは、投資で得られる利益に対する税金が非課税になる制度だ。利益が出なければ非課税の恩恵を受けることができない。このファンドは、着実な配当金の積み上げがリターンにプラスに影響する仕組みになっており、長期的に利益の獲得を目指すファンドだ。

-運用状況は。

鈴木氏 ファンドの運用状況を見ると、昨年12月末の分配金は1万口当たり270円(税引き前)だった。新NISAを活用することで、分配金を受け取る際に非課税のメリットを実感していただけるだろう。

 このファンドの純資産総額は、1年前に約50億円だったが、2024年1月末時点では653億円に拡大しており、多くの投資家に活用していただいている。

 新NISAでは個別株を購入することも可能だが、高配当株ファンドに投資すれば銘柄のメンテナンスが不要だ。新NISAは、売却しても投資枠が翌年には復活するが、自分で銘柄を入れ替えるのは現実的ではないだろう。ファンドを活用すれば、ファンドマネジャーが最新の予想配当利回りの順位に合わせて、その上位銘柄に投資してくれる。

 

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