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積み立て投資、過半数が利用=ESGは「医療」が人気トップ-投信協会アンケート①

2021年03月25日 16時57分

投資信託に関するアンケート調査投資信託に関するアンケート調査(クリックで表示)

 投資信託協会がまとめた「投資信託に関するアンケート調査」によると、投信保有者のうち、積み立てを利用している人が5割を超えたことが分かった。特に20~30歳代では、7割を占めた。

 松谷博司会長は「投信の購入に当たって『積み立て』が重視されてきたことは、大変に喜ばしいことだ」と評価した。その上で、積み立て投資の意義について「積み立ては『手段』だ。給与天引きなどで毎月一定額のお金を積み立て投資することで、20~30年を超える長期投資が可能になり、リスクを分散させる『時間分散』が可能になる。将来のためにコツコツ貯める資産形成では、全員が積み立て投資を活用することが望ましい」と述べた。

◆保有者の割合は23%に上昇

 調査では初めに、投信を保有している人の割合を調べたところ、回答者の23.4%だった。前年調査より1.1ポイント上昇した。

(表1)積立投資の利用状況(%)(表1)積立投資の利用状況(%)(クリックで表示)

 このうち、積み立て投資をしている人の割合は53.0%で、前年調査(42.4%)より10.6ポイント上昇した。2017年に積み立て投資をしている人の割合は3割程度だったので、わずか3年ほどの間に投資家の過半数を占めるまでに普及した。(表1)

 年齢別では、20代で77.0%(前回調査は67.2%)、30代で70.6%(同63.9%)、40代で62.4%(同49.8%)になるなど、若年・中堅層を中心に、積み立て投資が広がっている。

 調査は昨年11月、全国の20~79歳の男女2万人を対象に、インターネットで実施した。

◆つみたてNISA、iDeCoが伸びる

(表2)投資信託の保有口座(%)(表2)投資信託の保有口座(%)(クリックで表示)

 この調査で、投信を保有している口座の種類を尋ねたところ、「つみたてNISA(少額額投資非課税制度)」が24.4%(前回調査比7.0ポイント増)と利用者を大きく伸ばした。また、iDeCo(個人型確定拠出年金)が13.5%(同1.7ポイント増)、企業型DC(確定拠出年金)が9.6%(同2.5ポイント増)と、それぞれ増加した。一方、NISAは40.4%(同2.8ポイント減)だった。(表2)

 若年・中堅層を中心に、税制優遇制度を活用しながら積み立て投資ができる、これらの制度が普及したことで、投資タイミングを分散しながら長期に資産形成するスタイルが定着してきた。

◆ESG、SDGsの関心テーマ

(表3)ESG・SDGsで投資したいテーマ(%)(表3)ESG・SDGsで投資したいテーマ(%)(クリックで表示)

 一方、環境・社会・ガバナンス(ESG)や、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の関連で投資したいテーマを尋ねたところ、トップは、「医療・福祉の充実に取り組む企業」(33.5%)だった。

 2位は「環境問題の改善に取り組む企業」(27.9)。次いで、「再生エネルギーの普及に取り組む企業」(27.2)、「貧困・飢餓問題に取り組む企業」(17.6%)、「教育格差の是正に取り組む企業」(13.7%)、「ジェンダー・フリーや女性活躍の推進に取り組む企業」(10.6%)の順番だった。(表3)

 年齢によって関心のテーマに違いがあり、若年層は「貧困」「教育格差」「女性活躍」に関心が高く、高齢層は「環境」「再生エネルギー」を挙げる人が多かった。

 

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