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NISA、「新規投資家や未稼働口座へのアプローチが重要に」=レポート第1弾-モーニングスター・ジャパン

2024年01月23日 08時00分

元利大輔マネジャー・リサーチ部長

 1月に活動を開始したモーニングスター・ジャパンは、「NISA(少額投資非課税制度)概要レポート2024年1月」をまとめた。同社が公開するレポートの第1弾になる。

 元利大輔マネジャー・リサーチ部長は、2027年末に累計買付額を56兆円にする政府目標の達成について「既存の利用者からの大幅な買付額増加を見込むことは困難であり、新規投資家や未稼働口座へのアプローチが重要になる」と指摘した。

 NISAの昨年9月末の累計買付額は約34兆円だ。現在の買付ペースのままでは今後4年間の増加額は15兆~16兆円にとどまり、4年後の累計買付額は50兆円程度になると試算した。

 その上で、金融業界の対応として「投資初心者も安心して投資できるよう、長期の資産形成に適した運用商品を提供することが重要になる」と述べた。

◆NISA対象ファンドは「玉石混交」

(出所)モーニングスター・ジャパン(出所)モーニングスター・ジャパン(クリックで表示)
(出所)モーニングスター・ジャパン(出所)モーニングスター・ジャパン(クリックで表示)

 一方、NISAで投資できる約1800本(23年12月18日時点)のファンドの内容については、「残念ながらパフォーマンスが芳しくないファンドや、今後も良いパフォーマンスがあまり期待できないファンドも含まれている、玉成混交の状況にあると言えよう」と指摘した。

 モーニングスター・ジャパンが、「成長投資枠ファンド」と「ファンド全体」について、過去のリスク調整後パフォーマンスを相対比較して求めた「モーニングスター・レーティング」や、アナリストの評価やファンドマネジャー等の情報を含めて将来見通しを勘案した「モーニングスター・メダリスト・レーティング」を比較したところ、「(二つのファンドの集団に)顕著な差は見られなかった」という

 その上で「数多くの選択肢があるなかで、投資家が良いファンドを選ぶことは簡単ではない。長期での資産形成を成功させるためには、金融機関からの情報だけでなく、第三者の客観的はレーティングなどを活用して、より良いファンドを選択することが必要であろう」と述べている。

 モーニングスター・ジャパンでは、今後、「モーニングスター・レーティング」や「モーニングスター・メダリスト・レーティング」、またマネジャー・リサーチからの調査レポート等をホームページで公開するとともに、各種レーティングは販売金融機関等を通じて提供していく方針だ。

【イボットソン・ジャパン モーニングスター・ジャパン】リサーチトピックス
https://ibbotson.co.jp/researchjitr/thought-leadership/

 

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