ウェルスナビ、預かり資産1兆円を突破=次の目標は「今後10年で20兆円に」
2024年01月15日 08時30分
ロボットアドバイザー最大手のウェルスナビ(本社東京、柴山和久社長)は、1月11日に預かり資産が1兆円を突破したと発表した。2016年7月の正式リリースから約7年5カ月で達成した。
◆最初の節目
柴山社長は「創業以来、誰もが安心し、信頼してまかせられる次世代の金融インフラになることを目指すとともに、そのスタート地点として『預かり資産1兆円』という目標を掲げてきた」と指摘。「最初の節目となる1兆円を突破し、ご利用いただいているお客さまに心から感謝申し上げる」とコメントした。
◆総合的なアドバイスの提供目指す
次の目標については「今後10年で、日本の個人金融資産2000兆円の約1%に当たる、預かり資産20兆円を目指す」と宣言。さらに、資産運用以外の領域でも、「総合的なアドバイスをオンラインで中立的に行う立場を目指し、お客さまのお金にまつわる幅広い悩みをテクノロジーの力で解決していきたい」と述べた。
◆顧客数38万人を超える
ウェルスナビのロボアド「WealthNavi」は、スマートフォンなどで簡単な質問に答えると、コンピューターが自動で資産配分し、株式や債券、不動産など世界50カ国の1万2000銘柄に分散投資してくれる。毎月1万円から自動で積み立てられるため、手軽に「長期・積立・分散」を実践するツールとして人気を集め、23年9月末時点では38.3万人が利用している。
◆手数料0.693~0.733%まで引き下げ
同社は、いち早くNISAに対応した機能「おまかせNISA」を開発し、新NISAにも全面的に対応している。具体的には「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の二つの非課税枠を自動で組み合わせて、リスクを抑えた最適な資産運用を目指せるようにした。手数料については、新しいNISA口座全体では最大で年率1.1%(税込み)としており、自動積立のみで入金する場合は、年率0.693~0.733%(同)まで下がる。
◆長期投資でリターンが安定
柴山社長は、「長期・積立・分散」の資産運用のポイントについて「相場の動きに合わせて行動を変えるのではなく、淡々と続けていくことが大切だ。長く続けることで徐々にリターンは安定していき、長期投資の有効性を実感できるようになる」と説明した。ウェルスナビのお客さまのリターンを見ると、2年以上継続している人は、9割以上がプラスのリターンになっているという(2023年9月末時点)。
◆世界のさまざまな資産に分散
また、長期投資の効果を得るには、「世界経済全体に資産を幅広く分散して、リスクを抑えることが非常に重要であり、株式だけでなく、債券や不動産、金といった、異なる値動きの資産も組み合わせることで、リスクを抑えられる」(柴山社長)と話す。
◆ライフステージに応じ配分変更
さらに、「年代や働き方によって取れるリスクは変わるため、ライフステージの変化に合わせて資産の配分を変えていくことが大切だ」(同)と指摘。「『WealthNavi』なら、ライフステージに合わせて資産の配分を変えていくことができる」(同)と述べた。