ESG投資、日本株運用に好影響=ベンチマーク上回る傾向に-三井住友DSアセット
2021年02月25日 09時25分
環境・社会・ガバナンスに配慮したESG投資が、日本株式の運用パフォーマンスに好影響を与えていることが、三井住友DSアセットマネジメントの調査で分かった。ESGを評価に取り入れた指数が2018年以降、3期連続でベンチマークを上回っている。
小林弘明シニアインベストメントアドバイザーは「機関投資家がESG投資を増額し始めたことで、ESGに配慮した企業の株式の需給が好転している可能性がある」と分析している。
調査したのは、大手指数会社S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの「S&P/JPXカーボン・エフィシエント指数」と、MSCIの「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」「MSCI日本株女性活躍指数」の三つ。
それぞれの親指数と、2010~20年の年間リターンを比較した(図)。「当初はESG指数と親指数のパフォーマンスが、年ごとに拮抗(きっこう)している印象だったが、18年以降はアウトパフォームする傾向に転じている」(小林氏)という。
ESG投資を巡っては、世界最大の機関投資家である日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、保有資産約150.6兆円(20年3月末)のうち、これら3指数を含む五つのESG指数を使って、国内外の株式に約5.7兆円(同)を投資している。ESG指数を採用する動きは今後、企業年金基金などほかの機関投資家にも、さらに広がりそうだ。
小林氏は「新型コロナウィルスの感染拡大で、持続可能性が危うくなる企業や業種が現れる可能性があるので、一般的なインデックスに替えて、ESGに優れた企業で構成するインデックで運用する合理性は高まったという意見が聞かれるようになった」と話している。(了)