3月末の投信残高、0.8%増の166兆円=2カ月連続で過去最高-投信協会
2023年04月17日 08時00分
投資信託協会がまとめた3月末の公募投信残高は、前月比0.8%増の166兆1617億円となり、2カ月連続で過去最高を更新した。また4カ月連続の増加になった。
3月は、国内外の株価が上昇し運用益が増加した。さらに「海外株式型」や「国内株式型」などに個人投資家の資金が流入したことで、設定から解約等を差し引いた資金増減額は2729億円の純資金流入だった。これは71カ月連続の流入超過で、過去最長を更新した。
◆年度ベースでは1.9%増
年度ベースでみると、2022年度の公募投信残高は、前年度比1.9%増だった。運用増減額が1.5兆円のマイナス、収益分配額が3.1兆円のマイナスになったものの、資金増減額は7.7兆円のプラスとなり、高い水準での資金流入が継続した。
投資信託協会の松谷博司会長は、昨年度の動向について「ウクライナ問題があったり、米シリコンバレー銀が破綻したりするなど、経済の先行きに懸念材料が多かったが、こうした中でも、それなりの規模の資金が投信市場に継続して流入しており、資産形成に関する大きなトレンドは変わっていないと思っている」と評価した。
◆DC専用ファンド、10兆円が目前に
投資信託協会のまとめによると、企業型確定拠出年金(DC)専用ファンドの残高は、3月末に9兆4873億円となり、過去最高を更新した。これについて、松谷会長は「DCと少額投資非課税制度(NISA)は、資産形成をけん引する車の『両輪』だ。DC専用ファンドの残高が年内に10兆円台に乗ればいいなと思っている」と指摘。「投信協会として、DCの拡充にも力を入れていきたい」と述べた。
企業型DCやiDeCo(個人型DC)、「つみたてNISA」の特徴は、事業主が掛け金を拠出したり、給与から天引きされたりして、毎月自動的に投資が行われることだ。松谷会長は「こうした制度が欧米のように普及することで、国民の金融資産のポートフォリオに占める投資商品の割合が上昇していくことが期待される」と指摘した。
【投信協会】ホームページ
https://www.toushin.or.jp/index.html