「もっと働きたい」が29%=女性のウェルビーイングとお金の調査-フィデリティ
2023年03月07日 12時30分
フィデリティ投信は、8日の国際女性デーを前に「女性のウェルビーイングやお金に関する調査」をまとめた。それによると、「育児や家事の負担が少なければもっと働きたい」と回答した女性は29%に上った。また「ジェンダーにより賃金や昇格で不利益を受けたと感じたことがある」と回答した女性は24%で、男性の15%を上回った。
鹿島美由紀・取締役副社長兼運用本部長は「岸田政権が掲げる『新しい資本主義』のもと、女性の経済的自立は『成長と分配の好循環』を実現するための重要な施策に位置付けられている」と指摘。「『賃金格差の開示』に加え、『格差の原因分析と是正に向けた行動計画の開示』など、政府や企業によるさらなる取り組みが求められる」とコメントしている。
◆「年金や貯蓄で老後資金をまかなえない」が56%
この調査で「年金や貯蓄などで必要な老後資金をまかなえると思うか」と尋ねたところ、「思わない」とする回答は、女性で56%を占めた。一方「老後資金を増やすためにやろうと考えていること」については、女性では「支出を減らす」が44%と4割強を占め、「退職まで投資を続ける」「老後も投資を続ける」「貯蓄を増やしていく」などは1~2割にとどまった。
浦田春河・フィデリティ・インスティテュート首席研究員は「私的年金を通じて老後資金の準備を行っていない理由として、『どこで情報を得たらよいかわからない』や『不確実な将来に備えるより、今を充実させたい』といった声が女性に多く見られた」と指摘。「男性より平均余命が長く、老後資金も多く必要になる女性こそ、資産運用を実践して積極的にお金を増やす意識が大切であり、金融リテラシー向上の取り組みは待ったなしの状況だ」と強調した。
調査は、昨年12月下旬から今年1月上旬にかけて、18~69歳の男女2101人にインターネットで実施した。この調査は今回で3回目になる。英国や中国など7カ国・地域でも同様の調査を行っている。